家族性高コレステロール血症とは?【症状・診断基準・治療法】をチェック

  • 作成日:2015.05.19
  • 更新日:2017.09.22
健康

どんなに生活習慣を改善しても、処方された薬を飲んでも、まったくコレステロールが下がらない…という方は、もしかすると「家族性高コレステロール血症(FH)」かもしれません。

家族性高コレステロール血症は、遺伝的な異常が原因で、悪玉コレステロールが増加する病気
放置すると動脈硬化や心筋梗塞を引き起こします。

しかし、早期から適切な治療を行えば、そのような事態は避けられます。

そこで今回は、家族性高コレステロール血症の症状や、診断基準、治療法などについて説明します。

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家族性高コレステロール血症とは


家族性高コレステロール血症は、遺伝子的な異常により、血液中の悪玉コレステロール(LDL)が増えてしまう病気です。
FH(Familial Hypercholesterolemia)とよばれることもあります。

通常、悪玉コレステロールは、肝臓の細胞にあるLDL受容体によって細胞へと取り込まれます。
この働きにより、血液中の悪玉コレステロールの濃度は正常に保たれています。

しかし家族性高コレステロール血症の方は、このLDL受容体や関連したタンパクなどに異常があり、悪玉コレステロールを細胞内にうまく取り込むことができません。

その結果、血液中の悪玉コレステロールが増加するのです。

気づかないケースも?「難病」指定だが認知度は低い

家族性高コレステロール血症は難病に指定されている病気です。
しかし、日本における認知度は低いといわれています。

「コレステロール値が高い」という自覚はあっても、遺伝的な要因によって引き起こされているとは気づかない方も多くいます。

いくらコレステロール低下を意識した食生活を送っていても、なかなか数値を下げることができず、専門医の診断でようやく「家族性高コレステロール血症」と気づくことも珍しくありません。

長期間、適切な治療を受けずにいると、悪玉コレステロールの増加によって動脈硬化になるため、早期発見・早期治療が大切です。

家族性高コレステロール血症は「ホモ接合体」「ヘテロ接合体」の2タイプがある

家族性高コレステロール血症になる原因は遺伝です。
そして遺伝のタイプによって、症状の度合いが異なります。

LDL受容体や関連したタンパク等の遺伝子について、両親のどちらも異常がある場合は「ホモ接合体」、いずれか一方の場合は「ヘテロ接合体」といいます。

「ヘテロ接合体」よりも「ホモ接合体」の方のほうが、症状が重いといわれています。

家族性高コレステロール血症の症状と診断基準


実際に家族性高コレステロール血症になった場合、どのような症状が現れるのでしょうか?

まず、家族性高コレステロール血症の方は、悪玉コレステロール(LDL)の数値が通常よりも高くなります。

ホモ接合体の方で、500~900mg/dl、ヘテロ接合体の方で150~420mg/dlといわれています。

また、手やひざなどに、黄色腫(おうしょくしゅ)とよばれる黄色がかったできものが見られるのも特徴のひとつです。
アキレス腱が硬くなることもあります。

そして悪玉コレステロールの増殖によって、血管が硬く、分厚くなるため、若いうちに動脈硬化になってしまう場合も。

ただしヘテロ接合体の方は、幼いうちは症状が現れないことが多く、成人したのちに家族性高コレステロール血症だと気づく方もいます。

診断基準

家族性高コレステロール血症の診断基準は、遺伝のタイプと年齢によって異なります。
以下に要点をまとめたので、チェックしてみましょう。

ホモ接合体

  • 総コレステロール600 mg/dL以上
  • 小児期から認められる黄色腫と動脈硬化性疾患
  • 両親がFHヘテロ接合体

ヘテロ接合体

  • 高LDL-C血症
  • 【未治療時の悪玉コレステロール値】

    15歳未満 140mg/dl 以上
    15歳以上 180mg/dl 以上
  • FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内の血族)
  • 腱黄色腫(手背、肘、膝などの腱黄色腫あるいはアキレス腱肥厚)あるいは皮膚結節性黄色腫

検査時には、悪玉コレステロール(LDL)値の測定や黄色腫(おうしょくしゅ)の有無などを確認します。

そのほか遺伝子検査を行う場合もありますが、こちらは保険適用外の検査となります。

参照:サノフィ株式会社「FH診断マニュアル(ポケット版)」

家族性高コレステロール血症の治療

家族性高コレステロール血症と診断された場合は、薬物療法のほか、食事療法や運動療法などを行い、悪玉コレステロールの値を調整します。

薬物療法

薬物療法では、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)をはじめとする、脂質低下薬を服用するのが一般的です。

効果があまりみられない場合は、小腸からのコレステロール吸収をおさえる「エゼチミブ」、コレステロールの排出を促進する「プロブコール」などを使用します。

新薬「エボロクマブ」を用いる場合も

家族性高コレステロール血症の新薬・PCSK9阻害薬(エボロクマブ)の登場で、以前よりも治療の選択肢が広がりました。

「PCSK9」とは、LDL受容体を分解し、減らす働きがあるタンパク質のこと。
このPCSK9を阻害することで、肝臓のLDL受容体が増加し、結果的に悪玉コレステロール値を低下させます。

経口により摂取する従来薬とは異なり、2週間に1回、あるいは1か月に1回、注射によって投与します。
副作用も少なく、これまでの治療でなかなか効果が出なかった方にも、改善傾向がみられることがあり、注目されています。

ただし、家族性高コレステロール血症であれば誰でも投薬可というわけではありません。

心血管イベントの発現リスクが高く、これまでのHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)による治療で、効果が得られなかった方に限ります。

LDLアフェレーシス

薬物療法であまり改善しない場合は「LDLアフェレーシス」とよばれる治療法を行うことがあります。

1~2週間に一度の頻度で、人工透析に似た器械を用いて、悪玉コレステロールを直接取り除きます。

食事療法

家族性高コレステロール血症の方は、食事療法のみで目標とする値までコレステロール値を下げることは難しいといわれています。

しかし、薬物療法だけ行っていればよいというわけではありません。
治療においては、コレステロール低下を意識した食事を心がけることが大切です。

食物繊維を多くとる、不飽和脂肪酸の油を使用するなど、ちょっとした工夫がコレステロール値の改善へとつながります。

運動療法

コレステロールを下げるには、1日30分以上の有酸素運動が効果的だといわれています。
ウォーキングや水泳など、自分に合った方法で身体を動かしましょう。

1回あたりの運動量は少なくてもかまいません。
継続して行うことが大切です。

家族性高コレステロールの気になる疑問


家族性高コレステロール血症について、多くの方が気になる疑問をピックアップしました。

妊娠中に、家族性高コレステロール血症と診断されたら?

パートナーの女性が、妊娠中に家族性高コレステロール血症と診断された場合、治療はどのように行うのでしょうか。

投薬は胎児への影響を考えると、不安になりますよね。

年齢や症状の度合いによっても異なりますが、ヘテロ接合体の場合、出産を待って薬物療法を開始するケースが多いといわれています。

ただし、自己判断は危険なので、医師の診察は必須です。

生命保険には入れる?

家族性高コレステロール血症と診断された場合、生命保険への加入は難しいといわれています。

ただし保険会社によって判断基準は異なります。
保険料の割り増しなどの条件つきで加入できる場合もあります。

最初から「保険には入れない」と思い込まずに、まずはいくつかの保険会社に問い合わせみることをおすすめします。

家族性高コレステロール血症の専門医がいる病院は?

家族性高コレステロール血症は、医師であっても見過ごしやすい疾患です。
もし「自分は家族性高コレステロール血症かもしれない」と感じたら、一度専門医に相談することをおすすめします。

また、すでに家族性高コレステロール血症と診断された場合も、より自分に合った治療を求めて、専門医の診察を望んでいる方もいるかもしれませんね。

一般社団法人 日本動脈硬化学会のホームページでは、「家族性高コレステロール血症の紹介可能な施設等一覧」が公開されています。(※2017年10月現在)

こちらを参考に、専門医を訪ねてみるとよいでしょう。

ただし大学病院では、紹介状がない場合、診察料とは別に3,000円~5,000円ほど支払う必要があります。

そのため、予めかかりつけの医師に相談して、紹介状を書いてもらうことをおすすめします。

また大学病院は待ち時間が非常に長いです。
診察の予約もなかなか取れないことがあります。

そのあたりも考慮しながら通院しましょう。

家族性高コレステロール血症は、早期治療が大事!


家族性高コレステロール血症は、早期発見・早期治療が大切です。
自分では気づかないことが多いため、なるべく早く病院を受診し、適切な治療を行いましょう。

また、すでに家族性高コレステロール血症と診断された方は、不安な気持ちでいっぱいになっているかもしれません。
しかし、早期より治療を開始し、適切な方法でコレステロール管理を行えば、健康な人と同じように高齢まで生きられます。

医師と相談しながら、病気とうまく付き合っていきましょう。

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