脳の外科手術の歴史~脳外科手術はいつから始まりどのように発展してきたか~

  • 作成日:2017.08.19
  • 更新日:2017.07.28
健康

脳外科手術…体験したことがある人は少ないかもしれません。この脳外科手術はいつから行われているのでしょうか。古代インカ文明では頭蓋骨に穴をあけていたことが分かっています。ここでは、脳外科手術の歴史と共にどのような時に脳外科手術をするのかなど、脳外科手術についてまとめています。

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脳外科手術はどのような時に行われるのか?

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脳外科とはよく聞きますが、体のどの部分を扱うと思いますか? よく「脳神経外科」と言いますが、脳から脊髄神経は繋がっています。

実は脳神経外科は、頭の中だけではなく、脊髄神経も扱うのです。背中の脊髄などに出来る脊髄腫瘍も脳外科領域になります。

脳神経の手術をするときは、どのような時なのか。

簡単言うと以下の2つの場合が頭の手術をする時です。

  • 脳神経内に異物が入った時・脳圧のバランスが崩れた時
  • 奇形

脳や脊髄の中は一定の圧が保たれるようにできています。胃や腸の中には多少の異物や血液が入っても大丈夫ですが、脳の中ではそれは放置できません。

頭の中の圧のことを「頭蓋内圧」と言い、出血したり、水がたまることによってこの圧が上がってくると大脳を圧迫し、さらに上がると、延髄など「呼吸を支配する脳」まで圧迫して機能を脅かします。呼吸が止まるなど、命にかかわるので手術が必要になります。

頭蓋内圧が上がると頭通、吐き気、嘔吐の等の症状が出ます。「頭を打った後に嘔吐したら要注意」とはよく言いますが、頭蓋内圧の亢進を意味するからです。

この症状が出た時に病院に来院し、CTやMRIで脳内の画像で診断されます。手術対象の疾患は脳血管疾患、脳腫瘍などです。

溜まった血液も、腫瘍も、脳にとっては異物。血液も少量で自然吸収されれば問題ありませんが放っておくと脳圧が亢進して命を脅かしたり、支配する神経領域が侵されるので、除去します。

脊髄内の腫瘍が原因で痺れが出ることもあります。腫瘍が神経を圧迫して出る症状ですので、腫瘍を除去します。

異物ではありませんが、過去に「精神科疾患の治療目的」でごくまれに脳の一部を除去することもありました。過去に分裂病(現在でいう統合失調症)などの治療として行われていた前頭葉の除去ですが、効果よりも副反応の方が多く、現在はおこなわれていません。

ポイント

  • 脳外科手術では脳だけでなく脊髄神経も取り扱う
  • 脳に異常が発生した時・奇形の場合に脳外科手術が行われる

人類初期の脳外科手術

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紀元前7000年前にすでにフランスで脳外科手術が行われていたようです。

脳外科手術は、古代のペルーでも行われていました。西暦1000年ごろには頭に穴をあける開頭術が行われていたようで、遺跡から頭蓋骨に穴が開いた骨が出土しています。

当時の戦争で頭を棒で殴られたり、石を投げられたことによる頭部外傷の治療目的で手術が行われたと推測され頭蓋骨陥没骨折の治療の後も発見されています。

CTやレントゲンがなかった時代に経験で頭の手術をすれば命を救えると知り、手術をしているのですからすごいことですね。

ポイント

  • 紀元前7000年…約9000年前にはすでに脳外科手術は行われていた

脳外科手術は時代とともにどのように発展していったのか

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古代の脳外科手術は、診断は「経験」で、技術は「手探り」でした。脳外科領域の進歩はその解剖と疾患の理解が進むにつれ進歩してきました。

紀元前以降は宗教上の理由から解剖が進まなかったため、脳内の解剖学・構造の理解が進まず、1900年ごろから脳の機能の解明は進み、手術が行われるようになりました。しかし、死亡率は5割ほどと高く、成功率が低いものでした。

1970年以降に脳血管造影やCT・MRIが開発され、脳疾患の診断は確実なものになっていきました。また、マイクロ剪刀や顕微鏡など手術用機械類の進歩も、脳外科手術の進歩に貢献しました。

ポイント

  • 宗教が支配していた中世は、脳外科手術の歴史の中では暗黒期だった
  • 脳外科手術が本格的に発展したのは1900年以降

現代の脳外科手術

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脳外科手術はお腹など他の外科手術に比べて術野が狭く、繊細な技術が必要です。特に穿頭術は小さな穴から腫瘍などを取り出すので、術者の技術力が問われます。

脳外科の手術には緊急性のあるものと、予約しての手術など少し待つことが可能な手術があります。

緊急性があるものは脳血管疾患などで頭蓋外内圧が急に上がった場合や外傷による頭蓋骨骨折です。脳腫瘍などは予約入院で手術を待ちます。

脳外科手術を要する異常や病気

1、脳血管疾患

脳の血管が何らかの原因で傷つき、頭の中に血液が溜まる状態の時です。

脳動脈瘤の破裂・くも膜下出血・もやもや病など。脳内の血管が破れて血液が脳内に溢れ出すと脳の圧が上がりますので、これを除去し、血管を修復する必要があります。

2、外傷

交通事故や建物からの落下などによる頭蓋骨骨折・転倒による頭部打撲での硬膜外・硬膜下血腫などです。頭の中の血液の塊を取り除きます。

銃創や、他傷によるナイフなども異物なので除去します。

3、脳腫瘍

下垂体腫瘍・髄芽腫・転移性脳腫瘍・聴神経腫瘍など。

出来る場所によって脳の支配野への機能障害が顕著に表れます。一番多い脳の良性腫瘍は下垂体腫瘍です。子供の発症も多く、物が二重に見えるなど視覚障害を主訴として来院すると脳腫瘍だったという経過で発見されます。

4、水頭症

何らかの原因で髄液が頭の中にたまってしまう病気です。

髄液の排泄が自分の力ではうまくいかないので、シャントと言って髄液を排泄するための水路を作ってあげます。お腹や心臓まで通じる管を入れることが多いですね。子供の病気だと思われがちですが、高齢者が罹患する例も見られます。

5、神経科の治療

パーキンソン患者さんへの脳の電気的刺激です。

全身麻酔下で機械を装着して頭に穴をあけ、特殊な針を刺して脳を刺激します。震えや筋肉が固くなるなどの症状が改善します。このほか脊髄腫瘍・小児領域の二分脊椎・キアリ奇形などがあります。

脳外科手術と麻酔技術

脳外科的手術は他にも多々ありますが、脳外科手術の技術的な進歩は麻酔後術の進歩が大きく関わっています。麻酔はそもそも手術中の患者さんの安楽と、手術が安全に進むためになくてはならないものです。

脳外科手術は腫瘍などは手術時間が長いですから、その間痛みにずっと耐えるのは辛いですし、痛みで体動が激しいと安全に手術ができません。また、麻酔で自発呼吸を消すことで呼吸管理がしやすくなります。

特に脳外科領域では麻酔のかけ方が重要です。術式によっては、意識がある状態で、頭のどの部分を触ると症状がどう変化するのか確認しながら手術を勧めることもできるからです。

術後ケア

脳の手術は「それさえ終わったら安心」ということではありません。術操作をしていることで、脳は腫れやすくなっていますし、触られた後の脳の支配野がきちんと機能するかどうかの確認も必要です。

術後管理では意識レベル、足先や指先が動くかどうかなど、患者さんの動きにも注目します。

また、繊細な脳細胞が集まっている場所ですので、感染予防にも注意が必要です。術後に感染してしまうと抗生剤投与など、感染に対する治療が必要になります。

かつての恩師(かつての恩師(脳外科看護師)が「臓は移植できるけど、脳は移植できない」と言っていました。人格をつかさどる前頭葉があるからです。

しかし、動物での脳移植の実験は進んでいます。近い将来、脳死患者にドナーからの脳が移植される日が来るのかもしれません。

ポイント

  • 現代の脳外科手術は科学技術の発展に支えられている
  • 脳の移植実験が進められている

まとめ

脳外科手術の歴史はおよそ1万年。脳は人にとって最も重要な器官であり、未だに解明されていないことの多い神秘的なものでもあります。これからも脳外科手術は発展を遂げていくでしょう。頭を開くというと怖いというイメージがあるかもしれませんが、その歴史を紐解いて見れば不安な気持ちも少しは和らぐのではないでしょうか。

※この記事は、看護師の資格を保有している方によって執筆されました。

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