歯の治療の歴史~人類は虫歯とどのように戦ってきたのか~

  • 作成日:2017.10.03
  • 更新日:2017.10.03
健康

虫歯の治療などで歯科医院を訪れるのは今ではごく当たり前のことになっています。さらに、歯科医院はコンビニの数よりも多いといわれ「石を投げれば歯科医院に当たる」と揶揄されることもしばしばです。

日常に密接にかかわっている歯の治療。人類の歴史の中ではどのように発展を遂げてきたのでしょうか。人類はいつから歯の治療を行っていたのでしょうか。

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古代の歯科治療

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世界ではどのような歯の治療が行われていたのか

旧石器時代には、歯を抜いたり、削ったりする習慣があったようです。この習慣には宗教的な意味合いや他の部族への威嚇的理由もあったようです。

古代ローマ人は、歯の被せものやブリッジ、入れ歯をも作っていました。むし歯の原因は、歯の中にいるむしであるとも考えていたようです。

日本での歯科医師誕生

弥生時代以降、お歯黒の習慣が始まりました。お歯黒の習慣は明治時代にまで続きます。

我が国で初めて歯科医師が誕生したのが、701年といわれています。

我が国で最も古い法律である大宝律令や養老律令の中に医疾令という法例があり、歯は耳・口・目とまとめてひとつの診療科として医師が治療を行なう旨、明記されました。

■ポイント

  • 旧石器時代にはすでに人類は歯に干渉していた
  • 日本最初の歯医者は701年といわれている

中世の歯科治療

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中世ヨーロッパにおける歯科治療

歯科治療としては、悪くなった歯に対して抜歯が行なわれていました。広場でまるで見せ物のように、医学の知識のないものによって抜歯がなされることもあったようです。

レオナルド・ダ・ヴィンチの影響もあり、解剖学が発展したのが15世紀頃です。歯やお口の解剖学も同じく発展しました。

この頃には、唇の手術、歯の再植や、失われた歯に対して隣に残された歯と針金を使って、人工歯を装着した行なわれました。現在のブリッジの様な治療です。

中世日本における歯科治療

口中の治療医がいて、治療を行なっていましたが、その技術は秘伝で他者に伝えられることはありませんでした。しかも、治療の対象は、上流階級に限られ、庶民の歯科治療は行なってはいなかった模様です。

この時代の歯科治療は、抜歯が中心でした。入れ歯は仏像の彫刻家が作っていたということです。

■ポイント

  • 中世ヨーロッパでは、現在の歯科治療の基礎が築かれていた
  • 中世の日本では、歯科治療は特権階級にのみ許されていた

近代の歯科治療

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近代ヨーロッパにおける歯科治療

フランスで近代歯科医学の祖といわれるピエール・フォーシャルが歯科治療に関する医学書を1728年に出版しました。これにより歯科医学が体系化され、歯科医学が発達していく基礎となりました。

こののち、歯科医の家系でのみ伝えらてくるだけであった歯科医学が、歯科治療を志す人々の間に広がっていくことになります。それが歯科に更なる飛躍をもたらすことになるのです。

近代アメリカにおける歯科治療

フランス革命の影響で、フランスからアメリカへの歯科医師の移住が進みました。そして、1840年にアメリカで初めての歯科の学校であるボルチモア歯科医学校が開講されました。

それまでは歯科医の数が少なく、歯科医でないものが歯科治療を行なっていたのが、これから以降改善されていくことになります。

また、大勢の歯科医師がアメリカに移った影響で、歯科治療の技術の中心がアメリカに移っていくことにもなります。

そして1844年には笑気ガスを使った全身麻酔下での抜歯が、1846年にエーテルを使った麻酔で口腔外科の手術が行なわれました。

近代日本における歯科治療

江戸時代の日本では、房楊枝とよばれる歯ブラシを使った歯みがきが行なわれていました。房楊枝とは木の枝で作られており、木の文化といわれる日本ならではのものでした。

その頃の歯科治療は、おもに抜歯と薬物治療などでした。同時期のヨーロッパの治療と比べると遅れていましたが、抜歯や入れ歯の技術は優れていたといわれています。

なお、日本では木製の入れ歯が職人の手によって作られていました。

■ポイント

  • 時代の流れによって、歯科治療の最先端がアメリカに移る
  • 当時の日本の歯科技術は一部分で秀でていた

現代の歯科治療

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近代までの歯科治療は、歯が悪くなったら抜くという治療がほとんどでした。歯科医ではなく床屋が経験に基づいてやっていたり、職人が入れ歯を作っていたりと、勘と経験がすべてのような世界でした。したがって体系的な歯学という学問として成立していませんでした。

150年ほど前にアメリカで初めて歯科医学校が設立されてから、歯科が体系的に発展させられていくようになりました。

歯学だけでなく医学の医療の進歩も手伝い、むし歯や歯周病の原因や進行していく過程などが明らかになっていきました。その結果、むし歯や歯周病で悪くなった歯を抜くのではなく、治す方法が開発されました。

すなわち、歯を抜かない、残すという方向に重点がうつっていったわけです。

歯科治療器具の開発

英国で発明されたエアタービンを内蔵し高速回転で歯を削るハンドドリルや、歯石を取り除く超音波スケーラーは歯科治療にとって画期的な道具でした。

歯の表面はエナメル質という、骨よりも硬い物質で覆われています。そのために、従来の歯を削る機械ではなかなか削ることが出来ず、効果的なむし歯治療が難しかったのです。

歯周病の治療では歯石をきれいに取り除くことが治療の第一歩でした。歯石は歯にしっかりとくっついているのできれいに取り除くのはなかなか困難でした。

エアタービン内蔵のハンドドリルや超音波スケーラーが開発されたおかげで、効率よく虫歯を削り、歯石を取り除くことが出来るようになりました。

麻酔の開発

歯科にとって画期的な発明はこれだけにとどまりません。麻酔薬の開発です。

歯科治療は、抜歯に限らず基本的に外科治療に含まれる医療行為です。痛みを伴う処置が多いのですが、痛みが激しいと疼痛性ショックとよばれる意識を失う状態に陥ることも稀でありません。安全で効果的な麻酔薬の開発が望まれていました。

1905年にドイツの化学者がNovacainという麻酔薬を開発して以来、さまざまな麻酔薬が作られてきました。そのおかげで麻酔の効果で治療の痛みがなくすことができるようになりました。

従来では痛みのあまり抜歯するなかった歯であっても、歯の神経を取り除く治療も痛みを感じることなく安全に行なえるようになりました。麻酔薬の開発は、歯を残すことにも繋がっていったのです。

しかし、削って詰めても詰めたところと歯の隙間からむし歯が再発して、より深いむし歯になってしまう、神経をとった歯が弱くなって割れてしまうことが起こるようになりました。

「最小限の介入」

そこで現在では、MI(ミニマムインターベイション)というコンセプトが提唱されています。

これは、なるべく削らない、削らなければならない場合は削る量を最小限に留めるという考え方です。歯の神経についても、なるべくとらないで残せるようにする治療が考えられています。

削って治す治療から、なるべく削らない治療が行なわれるようになりました。

■ポイント

  • 現代では歯科治療の理念が洗練され、元の歯の状態をできるだけ残そうとしている
  • 現代しか治療は様々な技術発展の恩恵を受けている

未来の歯科治療

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歯科治療は、ここ100年ほどの間に劇的に進歩してきましたが、いま新たに革命的な進歩が行なわれようとしています。

世間では、人工知能や自動運転、IoT、ビックデータの活用などデジタル技術の発展により新しい技術が花開こうとしています。そんなデジタル化の波は、実は歯科の世界にも来ています。

光学印象技術

被せものを作るために歯型をとった経験ありませんか? 現在は、アルジネートやシリコーンとよばれる一定の時間がくれば硬化する粘土の様なものを使って、歯型をとっています。

これは、数十年の歴史があり、安全性も再現性もしっかり裏付けられた方法なのですが、歯型をとられるときの違和感がどうしても生まれてしまいます。

そこで、スキャナーのように光を使って歯型をとる光学印象とよばれる方法が現在開発されました。この方法だと、スキャンにかかる時間は、従来の歯型とりの時間と比べて数分の一にまで短縮出来る上、なにより違和感がないのが利点です。

光学印象によって採取された歯のデータは、デジタル化され、コンピュータで被せものを設計し、そのまま3Dプリンターにデータを転送するようなことも考えられています。

こうなると、歯型に石膏をもって、歯の模型を作っていた従来の歯科治療そのものが変革していくことになります。

歯の再生

歯を失った時には、ブリッジや入れ歯を使って失われた歯を補ってきました。そこに、インプラントという人工歯根を使った治療法が加わってきました。

インプラントに至っては、本物の歯と違わないくらいきれいに作ることが出来るようになりましたが、これらはすべて人工物という点では共通です。そのために、被せものの縁が欠けたり、噛み合わせの力に負けてしまったりと、いろいろな弱点をもっています。

そこで現在考えられているのが、歯の再生です。

もし、文字通り失われた歯と同じ歯を再び生やすことが出来れば、人工物で治す場合の弱点を克服することが出来ます。

歯の再生は、超えなければならない壁がまだまだたくさんあるので、実用化までの道は長そうです。しかしもし実用化できれば、人類が誕生して以来悩まされ続けてきた歯の喪失という悪夢から解放されることになるでしょう。

■ポイント

  • 未来の歯科治療はさらなる先進技術で進化していく
  • 再生医療の考えが歯科治療にも応用されようとしている

まとめ

歯の治療は人類の歴史とほぼ同じ時間を経てきました。歯は食べ物を噛み砕き飲み込めるようにするには最も重要な器官です。

しかも、舌でいつでも触れたり、痛みを感じやすいることから、体の中でもセンシティブな場所です。だからこそ、歯の治療は長い歴史を持っているのでしょう。

※この記事は、歯科医の資格を保有している方によって執筆されました。
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