親知らずが生えない人はいる? 親知らずはなぜあるのか

  • 作成日:2017.07.19
  • 更新日:2017.08.04
健康

今これのせいで苦しんでいる人もいるでしょう、親知らずです。親知らずが生えない人はいるのでしょうか。親知らずが生える人と生えない人、問題なく生える人とそうでない人の違いは? そもそも、親知らずはなぜ生えてくるのでしょうか。人類の歴史を紐解いてみます。

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親知らずが生えない人はいる?

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親知らずとは、正式には第三大臼歯とよばれる奥歯のことです。智歯ともよばれます。人間の場合、親知らずは上下左右に1本ずつの合計4本あり、最も奥にある永久歯でもあります。

なお、まれにこれよりも奥に歯が生えていることもありますが、これは過剰歯という余分な歯扱いになり、正式な歯としてはカウントされません。

親知らずが生えない人はいるの?

親知らずが生えない人はいます。

文字通り全く生えてこないこともあれば、少しだけ歯茎から顔をのぞかせている場合もあります。少ししか生えていない場合は、手前の歯の陰に隠れて見えにくくなっていることもあります。

前者の場合は、もともと親知らずが存在してないか、親知らず全体が顎の骨の中に埋まっている状態が考えられます。後者の場合は、親知らずが傾いて埋まっている状態や、まっすぐ生えているけれども後ろ半分が歯茎に埋もれてしまっていたりして、完全に生えていない状態が多いです。

半分しか生えていない親知らずの状態を半埋伏、完全に埋まっている状態を完全埋伏と言います。半埋伏や完全埋伏の状態だと、歯磨きがしにくいこともあり、親知らずの周辺の歯茎が腫れやすくなります。これを智歯周囲炎と言います。

歯周病でも歯茎は腫れますが、智歯周囲炎の場合は、腫れ方がより激しい場合が多いです。親知らずの位置や周囲の筋肉などとの関係で、顔まで腫れ上がったり、喉が痛くなったり、口が開けにくくなったりします。
埋まったままの親知らずは、このようなリスクをはらんでいるのです。

なぜ親知らずが生えないの?

他の歯は、成長が続いている間に生えてきます。ですから、新しい永久歯が生えてくるにつれて、顎の骨も大きく広がっていきます。

ところが、親知らずはそんな時期に生えてくるわけではありません。親知らずが生えてくる年齢は、10代後半から20代前半です。この年齢になると、もう身体の成長は終わっています。したがって、親知らずが生えてくるからといって、他の歯のときと同じように顎の骨が大きくなってくれるわけではありません。

そのために、親知らずが生える余地が少なくなり、埋まったままになることがあるのです。

また、奇形が生じる傾向もあるという特徴があります。そのために、親知らずそのものが存在しないということもあります。この場合も、やはり生えてくることはありません。

親知らずが生える人と生えない人の違いは?

親知らずが生える人と生えない人の違いは、顎の骨の大きさが大きく影響していると考えられます。

実は現代人は、顎の骨がどんどん小さくなってきている傾向があります。この傾向は、日本人に限ったものではありません。他のアジア系の人種もそうですし、欧米の白人においてもそうです。

顎の骨が小さくなってきているのは、食生活の変化が影響しているといわれています。すなわち、加工食品が増えて、硬い物を噛まなくても、食事が出来るようになった現代の食生活事情です。

小さい頃に、硬い物をしっかり噛む刺激が、顎の骨を成長させることがわかっています。軟らかい物をあまり噛まずに成長してきた場合、そうした刺激が少なくなります。その結果、顎の骨の大きさが小さくなってしまうのです。

もともと、親知らずが生えてくる年齢では、顎の大きさが大きくなることが望めません。なのに、顎の骨サイズそのものが小さくなってきているならば、さらに生えてくるのは難しくなります。

親知らずが生えている人と生えていない人の差は、顎の大きさの違いによるものと考えられます。そして、顎の大きさに違いが生じてくる原因は、小さい頃からの食生活にあるといえます。

親知らずが問題なく生える人はいるの?

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親知らずが問題なく生える人はいるのか?

顎の骨がしっかりとして大きい人には、親知らずがきちんと問題なく生えている人が多いです。

ところが中には、顎の骨がそれほど大きいとは思われない様な人でも、親知らずがきちんとまっすぐ生えていることがあります。顎が小さくても、ちゃんと生えている場合は、親知らずのサイズもまた小さいことが多いです。

したがって、顎の骨のサイズが大きくしっかりしているか、もしくは親知らずの大きさが小さいか、このような条件が整っていれば、親知らずであっても、きちんと生えてくることができます。

きちんと生えていても、奥の奥にあるので歯磨きがしにくいという悪条件は変わりません。特に、上顎の奥歯はなおさらです。そのため、磨き残しなどが起こりやすく、虫歯になりやすかったり、腫れたりしやすかったりします。そうした場合には、たとえきちんと生えていても抜かなければならなくなることも珍しくありません。

ちゃんと生えてきた親知らずは役に立つの?

親知らずは、大臼歯(だいきゅうし)とよばれる奥歯のひとつです。

奥歯は、硬い食べ物を噛み砕いたり、すりつぶして小さくするためにあります。奥歯を臼歯というのは、臼の様な役割をするからです。

一方、前歯では、硬いものを噛み砕いたり、すりつぶしたりすることは出来ません。たとえば、せんべいやおはぎを前歯で噛むのは、難しいです。硬いものは、やはり奥歯でなければ噛めません。

前歯の本数が、上顎と下顎で合計12本であるのに対し、奥歯は16本、親知らずを含めれば20本あります。奥歯の数の方が多いことから、食べる時に奥歯の果たす役割が大きいことがわかります。

親知らずも、立派な奥歯の一種ですから、ちゃんと生えて、上下の親知らずが噛み合っていれば、十分役に立ちます。ですから、きちんと生えているならば、親知らずを抜歯する必要性はありません。

そもそも、なぜ親知らずは存在しているのか?

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親知らずの存在理由…なぜまともに生えなくなったのか

人類が誕生した頃、その頃の食生活は、草食が中心だったと考えられています。現代のように道具はおろか、火を使うこともできなかった時代、木の実を食べるのは、とても大変だったことでしょう。

そんな時代、奥歯がしっかりしていないと、満足に食べることもできなかったであろうと思われます。親知らずが、存在している理由は、まさにそこにあります。

骨格の変化は、数万年ほどの間で生じると言われていますが、歯は骨と比べて安定度あいが高く、歯に変化が生じるには数百万年かかると考えられています。骨格の変化に歯の変化が追いついていないので、親知らずがまともに生えてこれなくなったというのが有力な説です。

人類の歴史に沿って親知らずの状況を比較した研究はあるの?

過去から現在に至る人類の骨格を調べた研究があります。歯は、骨と同じ硬組織と呼ばれる組織です。そのため、化石になっても骨と同じく比較的良好な状態で残されているので、そこからいろいろなことがわかってきます。

進化の歴史から、人類は、猿人・原人・旧人・新人といった分類がなされています。化石を研究すれば、猿人・原人・旧人という、現在の人類の祖先たちの顎の骨の大きさを比較することは容易です。その結果、祖先の顎の大きさは、現代人のそれと比べて非常に大きかったことわかりました。

そして、歯の数を比較したところ、現代人と同じ数だけあることもわかりました。しかすべての親知らずがきちんと生えて並んでいただけでなく、 驚くべきことに、親知らずの後ろにさらにスペースの余裕がありました。ところが、旧人の次に登場する新人になると、顎の大きさが現代人のと大差ないものになっています。

縄文時代の人骨の化石を分析すると、今の我々と同じように、親知らずが傾いて埋まった状態のものが認められるようになります。そして、この生えない親知らずが、我々が悩まされているように炎症を起こして、腫れていたことを示す化石も見つかっています。

つまり、縄文時代には、もう既に人類の顎の大きさが小さくなりつつあったわけです。

その一方、歯の大きさは新人の時代以降になっても、それほど変化は認められません。この結果、顎の大きさに比べて、歯の大きさが大きくなり、親知らずが生えにくくなってきたということがわかります。

では、この顎が小さくなった要因は何でしょうか。それは、考古学の視点から食生活の変化が大きく影響していると考えられています。

もともと人類は、現在の類人猿と同じく草食だったと考えられています。初めて肉の味を覚えたのが、100万年~400万年前の猿人の時代と言われています。

草食の場合、食べ物に含まれるエネルギー量が少ないため、1日の大部分の時間を食事が占めていたはずです。ところが、肉食が導入されてから、栄養効率が高まり、食事に要する時間が短くなりました。その結果、顎を動かす回数が減っていきます。

100万年~30万年前の原人の時代になると、火が発見され、調理に活用されるようになります。火を使って料理をすることで、食べ物が柔らかくなり、食べやすくなりましたが、その反面、顎を使って食べることはさらに減少しました。

その後、石器時代になり道具を使うようになると、その傾向はさらに強まっていくことになります。こうして、人類の顎はどんどん小さくなっていったのです。

この傾向は、今後も続くと考えられています。実際、親知らずの手前に当たる第二大臼歯もきちんと生えてこない人も稀ですが、認められるようになっています。第二大臼歯がきちんと生えてこないことによる炎症もいずれ増えてくることでしょう。

まとめ

未来人の予想図を見たことがある人も多いでしょう。地球の未来人は目が大きく、顎が細っており、弱々しい足腰をしています。これをして宇宙人のグレイモデルは未来の地球人だという人もいます。それはさておき、人類は進化の過程の中で、顎を退化させてきました。顎の力が人類にとっては重要なものではなくなっていったということなのです。親知らずとは、そうした人類の進化の一端を垣間見ることができるものなのです。

※この記事は、歯科医の資格を保有している方によって執筆されました。
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