薄毛

2015/03/11

再生医療による薄毛治療。「PRP毛髪療法」とは?

再生医療による薄毛治療。「PRP毛髪療法」とは?

昨今注目を浴び始めている再生医療ですが、既に薄毛治療でも取り入れられ始めています。今回は再生医療のひとつである、PRP療法について紹介します。再生医療といっても治療法は様々ありますが、具体的にはどのような治療なのでしょうか。

今回はアヴェニュークリニックのDr.当山に、PRP毛髪療法による薄毛治療についてお伺いしました。

―――PRP毛髪療法とはいったいどのような治療法なのでしょうか?

PRPは多血小板血漿(プレートレットリッチプラズマ)の略です。血液の中でもかさぶたを作る成分のことで、血液からPRPだけを取り出して頭皮に注入する治療法をPRP療法と呼びます。PRPには、毛髪の成長を促すサイトカインと呼ばれるものが含まれており、直接サイトカインを頭皮に注入することで、発毛を促進します。

このPRP療法はいわゆる再生医療と呼ばれる治療法で、2014年11月にから施行中の「再生医療法案」にも入っています。頭髪治療以外にも様々な治療で使われており、最近では有名な日本人メジャーリーガーが肘の手術を行った際にこのPRP療法を活用しました。

治療の流れとしては、まず15ccほどの血液を採取し、その血液を遠心分離機にかけることで、血小板の部分を取り出します。15ccの血液に対して、おおよそ2ccのPRPが生成されますので、それをまんべんなく頭に注入し治療は完了です。

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PRPを注射で頭皮へ打ち込んでる様子

―――PRP療法は毛髪以外では主にどのような治療に使われているのでしょうか?

PRP療法自体は口腔外科での症例が最も多いです。主に歯の歯根の部分が欠損している状態から、歯を再生する際に使われています。歯自体は完全になくなると治療が難しいですが、少しでも残っていれば、他から骨を持ってきて、同時にPRPを入れることで歯の再生を促すことが可能といわれています。

その他の事例としては、美容領域では、「しわ」、「目周りの小じわ」の治療で使われています。また、難治性潰瘍の傷の治療でもPRPが登場します。例えば、糖尿病を患っている場合は、糖尿病の影響で傷を治す仕組みが正しく機能せず、傷が治りづらくなっています。そのような患者の傷を治りやすくするために、PRPが活用されています。

―――他の治療法と比べどのような点が優れていると考えられますか?

PRP療法は安全性の高い治療法と考えられます。例えば、飲み薬や頭皮に薬剤を注射する治療は、全てお薬を体内に入れることになりますから副作用の心配があります。一方でPRP療法は再生医療ということで、自分の体の一部を注入する治療法ですから、安全性は高いと考えられます。

また再生医療としては、ある程度簡単に取り組めることも優れた点だと思います。本来は再生医療であれば、幹細胞を培養して注入する方法が一番良いとは思います。しかし、現在この治療法を実施しているところはありません。幹細胞を打ち込んだだけでは、発毛させることが難しいからです。

例えば、乳がんで乳房を切除し、再生医療によって乳房の再建を行う場合、幹細胞と一緒に体内からとってきた脂肪を入れます。これは、幹細胞だけでは乳房が発育しないため、質感の似ている脂肪をいれることで発育を促し、再建を行うためです。では、髪の毛の場合、幹細胞を何と一緒に入れるべきかというと、適切なものがあまり見当たりません。このあたりが幹細胞を活用した毛髪再生医療の難しさとも言えます。

更に、幹細胞を培養する設備は大きな設備のため、そもそも大学病院の研究所クラスでないと用意ができません。一般のクリニックや病院で実施できるようになるにはもう少し時間がかかるでしょう。

幹細胞を用いた毛髪再生医療はこのような現状です。それを考慮すると、PRP療法の場合は、幹細胞のようなインパクトはないかもしれませんが、分離した血小板を注入するだけですので多くの患者に対応することができ、設備もそこまで大きくありません。ある程度簡単で安全性も高い、ということがPRP療法の優れている点だと思います。

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今回取材にご対応頂いた当山Dr.

―――実際に治療に当たってみていかがでしょうか。

自身の身体の一部を活用した治療方法であることから、薬と比較しても安全性の高い治療法です。継続的な服薬に抵抗がある方などには、PRP療法をお勧めしています。実際に治療に取り組んでみて感じることは、PRP療法は割りと効果が出やすい、とうことでしょうか。5~10年ほど前は髪の毛を生やすことは難しいという認識がありましたが、今はそんなことはありません。さすがに毛根が無くなってしまうと難しいかもしれませんが、それ以外は継続的な治療をすれば効果は出てくると思います。


【ドクタープロフィール】
当山 拓也
アヴェニュークリニック 副院長

東京医科大学医学部卒 医学博士
日本形成外科学会認定専門医
日本美容外科学会正会員
【取材協力】
アヴェニュー表参道クリニック
http://www.ao-clinic.com/

患者様の様々な悩みに対し十分なカウンセリングを行ったうえ美容皮膚科的治療から、美容外科手術までトータルなケアを行っております。
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