多汗症

2017/07/10

それってただの手汗じゃないかも…手掌多汗症の治療法とは?

それってただの手汗じゃないかも…手掌多汗症の治療法とは?

「商談の緊張がゆえに手に汗をかいてきた… この状態で握手を求められたら相手に不快な思いをさせてしまうぞ」 「今日は大事な初デート。でも、この手汗のままで手を繋いだら彼女に引かれるだろうな…」手汗が原因で、生活の様々な分野で悩みを抱えている人がいます。それはただの手汗ではなく、手掌多汗症という病気かもしれません。


多汗症とは?


多汗症っていわゆる汗っかきの事なんでしょう? と思われる方もいるかもしれませんが、実は別物です。確かに、多汗症は汗を大量にかく事なのですが、激しい運動をしたり、暑さを感じた時に体温調節として大量に汗をかく汗っかきとは違い、体温調整が必要でない時に大量に汗をかく病気です。

多汗症は症状や部位も様々で、程度によっても異なりますが、場合によっては日常生活に深刻な影響を与えるものです。多汗症には、全身性多汗症と局所性多汗症がありますが、今回は局所性多汗症の一つである手掌多汗症にスポットを当ててお伝えしたいと思います。


手掌多汗症の症状


文字通り手汗を必要以上に大量にかく事です。この病気は主に精神的なものが多いので、ストレスを感じたときなどに発症するケースが多いですが、人によってはリラックスしている時などストレスとは関係なく汗をかく事があります。症状が重い場合、滴り落ちるほどの汗をかいてしまい、それが原因で非常に辛い思いをするケースもあります。


手掌多汗症の原因


この病気の原因は、先程も触れましたが精神的なものが多いです。ストレスを感じる状況によって交感神経が刺激され、通常よりも過敏になってしまい必要以上の汗をかいてしまうのです。

さらに、「こんなに汗をかいて他の人にどのように思われるだろう」「この汗を早く止めたい」と焦ったりすると、余計に汗をかいてしまいます。

体質も影響していて、肥満体型の人は内蔵脂肪や皮下脂肪が原因で体温調整が難しく、普通・痩せ型体型の人よりも多く汗をかいてしまう傾向があります。


手掌多汗症の治療法


手掌多汗症治療法には、心身療法と薬物療法があります。


心身療法

発汗に対する不安や恐れから余計に汗をかいてしまうことがあるので、特にその傾向がある方はデパスといった精神安定剤や、ストレスに効く桂枝加竜骨牡蛎湯といった漢方薬を使うことができます。

自律神経を整えるためにストレッチ・ジョギングといった運動や、整体やアロマセラピーといった方法もあります。必要以上にストレスを溜め込まないように、睡眠をじっくりとって規則正しい生活をすることも大切です。


薬物療法

1、塩化アルミニウム外用制汗剤

就寝前に手のひらにこの制汗剤をつけ、必要に応じて翌朝よく洗い流します。この薬は、一時的に汗腺を塞いで汗を出にくくする効果があります。

塩化アルミニウム液を有効成分とする市販品もいくつか出ていて、その代表的なものはオドレミンという薬です。これは、通常ドラッグストアにはなく、近所の薬局に行って購入するものです。1本1,000円程度なので、一度購入して試してみるのも良いかもしれません。

個人輸入となるので自己責任ですが、海外の薬で同様の成分が含まれているパースピレックス(perspirex)は、長時間効果が持続するタイプで、上記のオドレミンよりも効果が高いそうです。

2、イオントフォレーシス

水を入れた専用の機器に手のひらを浸し、微弱電流を流す療法です。電気を流すことによって生じた水素イオンが、汗を出す細胞に作用して汗を出にくくします。

週1回程度の通院治療が必要で汗が出なくなったら、2~3週間に1回程度の通院で良いそうですが、継続的に通院が必要となります。

3、神経遮断薬・ボツリヌス注射

そもそも発汗は、交感神経の末端から放たれるアセチルコリンという神経伝達物質によって、汗腺が刺激される事で起こります。そのため、神経遮断薬を投与する事で、この物質の放出を阻害でき、結果として汗を抑える事ができます。

手のひらにボツリヌス注射をすることによっても、同様な効果があり汗を抑える事ができます。この注射の効果は約半年程度持続します。

副作用として、神経遮断薬は、口渇、眠気、胃腸障害、便秘、調節麻痺性視力障害といった症状が、ボツリヌス注射は、脱力・注射部の痛み・筋痛・発疹といった症状があります。

4、手術(胸腔鏡下交感神経節遮断術)

手のひらの汗腺に発汗の指令を行っている交感神経(胸部の背骨近く)を切断すると、手汗をほぼ確実に止めることができます。その代わりに胸やお腹、背中といった他の部分に汗をかきやすくなる代償性発汗という副作用が起こりやすいので、その点も考慮してから手術を受けるかどうか判断をしましょう。


手掌多汗症の予防・対策法


手掌多汗症の原因は精神的なものが多いです。汗をかいてしまうのではないかという不安が心の中にあると、たとえ汗の事を意識していなくても、脳の中では緊張状態が続いていて、中枢神経に影響を及ぼしてしまいます。

実際に汗をかいてしまい、この汗を何とかしなければと焦ると、もっと多くの刺激が神経に行ってしまい、余計に汗をかいてしまう悪循環となってしまいます。

よって、予防のポイントとして不安を取り除いていくことが大切です。では、どうすれば不安を取り除けるでしょうか?

「別に汗をかいても問題ない」「他の人は大して気にしていない」と、汗を受け入れる考えを持つことです。そうする事で、必要以上に不安を抱えることも無くなるでしょう。


まとめ


手掌多汗症は病気なので、異常な手汗が続いているのであれば、医療機関を受診して正しい治療を受ける事をおすすめします。手掌多汗症の原因が精神的な問題であれば、自分の汗に対する考え方を変える事が一番の治療法です。

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