健康

2017/07/05

脱水症状ではどんなことが起こる? しっかりとした水分補給で危機回避を

脱水症状ではどんなことが起こる? しっかりとした水分補給で危機回避を

夏…、外で作業をしていて意識がぼんやりと死して倒れてしまう。脱水症状は毎年多くの人々を苦しめています。脱水症状は、身体のごくわずかな水分が失われるだけでも大きな健康被害をもたらし、場合によっては死に至ることもある恐ろしい症状です。今回は脱水症状についてまとめました。


脱水症状とはどのようなものか


脱水症状とは、体内から水分がなくなる状態になります。体内の水分は、血液、リンパ液、細胞内液、細胞外液などにわかれています。これらは、栄養の運搬、老廃物の回収、体温の維持などに関わっています。

なので、体内の水分の喪失の仕方によって脱水の症状は変化していきます。


高張性脱水(水欠乏性脱水)

Na(ナトリウム)が失われていく以上に水分がなくなる状態です。

これは、汗や嘔吐、下痢など元々外に出やすい水分が多く出すぎる事でおきます。脱水の初期症状が起きやすく、口渇が大きな症状となります。

他にも、細胞外液が失われるということが起こります。

細胞外液は、血液がおもに関係しています。Naが維持されている場合は、細胞内液から水分が移動するので血液量の変化はほとんどありませんので初期から中期の時は、血圧の低下などはありません。

皮膚が乾燥しはじめたり、口渇を覚えます。高度になると、循環不全や臓器不全に陥るので早めの対処が大切です。


等張性脱水

Naと水分がともに失われる脱水になります。

こうなると、血液の水分量がへります。これは、多量の発汗、頻回な下痢、火傷などでおきます。こうなると、循環不全が起きてしまいます。

血液量が減ると、尿が減ります。そして、脳の機能が低下し始めます。そうなると、意識レベルの低下や感情が不安定になるなどの症状が起きます。

重大な症状となると、意識が混濁し、脳内に血液がいきにくい状態になるので脳の細胞が死に始めます。そうすると意識レベルが戻らず、麻痺や認知症のような状態になることもあります。

最悪の場合には、死亡する可能性もあります。


低張性脱水(Na欠乏性脱水)

嘔吐や下痢や副腎機能の低下や利尿剤を使用している方に多い脱水になります。

この場合、循環不全に陥りやすく、体がむくんだ状態になります。血液は少ないけれども体はむくみ、細胞の中に多くの水分がある状態になります。そうなると、循環不全が起きやすくなり臓器不全となってしまいます。

はじめは、感情の不安定やしびれなどが起きますが徐々に意識がなくなり、聴覚や視力などが喪失し最終的には、死亡してしまいます。

循環不全をおこしているので、長い時間このような状態が続くと脳へのダメージが残ってしまい、麻痺や、言語障害などが後遺症として残ってしまいます。


このような脱水は、高張性脱水で水分のみ摂取している場合にも現れることがあります。脱水になるからと多くの水のみを摂取しているとなってしまいますので注意が必要です。

どのような脱水も重症になります。循環不全、脳機能の低下、臓器不全になります。ダメージ受けた臓器の症状がでます。

重要な脳を優先的に保護することが生命では重要になってきますので重症の場合は、脳の保護を目的とした治療が開始されていきます。

ポイント

  • 脱水症状には高張性脱水・等張性脱水・低張性脱水の3パターンがある
  • 脱水症状を起こしている時には水分だけを摂らず、塩分や糖分も補給しよう

どれくらい水分が減るとどのような症状が出るか


水分喪失1%

軽度の脱水時には、大量の汗や喉の渇きを体が訴え始めます。これが、水分喪失の1%でおきます。


水分喪失2%

2%になると、強い乾きに加えて、めまい、吐き気、意識レベルの低下、倦怠感、食欲不振、尿の減少が起き始めます。


水分喪失3%

3%で尿が出なくなります。


水分喪失4%

4%まで喪失し始めると、脳の機能低下が起き、情緒不安定、運動能力の低下、睡眠障害、体の火照りが強くなります。


水分喪失6%

6%になると手指が震え始め、頭痛や意識の混濁、発熱、呼吸・脈拍の増加が見られます。


水分喪失8%

8%になると呼吸困難、意味不明な言動、チアノーゼがおきます。


水分喪失10%程度

10%程度になると意識の消失や興奮状態など変化しやすくなり、内臓器官の不全が起き始めます。


水分喪失15%

15%になると器官不全が進行し、視力、聴力、触覚などの消失など器官の不全による症状があらゆる所ででてきます。


水分喪失20%

20%になると死亡します。


これらの水分喪失の途中で水分補給や輸液による治療など受けて回復傾向にあっても器官のダメージは残っています。このダメージを受けている時間がながければ深刻な後遺症を残すことになります。

特に、脳へのダメージは、水分量の低下で循環不全がおきて、酸素が脳へいかなくなり低酸素状態、発熱による脳内温度の上昇で脳細胞の死滅がおきます。脳の部位によっては、麻痺や言語障害、意識が戻らないなどの後遺症が懸念されます。

ポイント

  • 脱水症状は水分を1%でも喪失すると起こり始める
  • 早い段階で水分を補給しないと、ダメージは残ってしまう

脱水症状になってしまったらどうするべきか?


脱水は、大きく3種類に分けられます。なぜ、脱水になったかを把握する事が大切です。ここで、把握する事で医療機関での治療が必要なのか、自分で改善する事ができるのかがわかります。

医療機関の受診が必要なのは、利尿剤を飲んでいる方、基礎疾患をもっている方は医療機関を受診したほうがいいでしょう。

自分で対処できるのは、高張性および等張性脱水になります。


高張性脱水への対処法

高張性脱水の場合は、水が多く喪失しているので、水をしっかりと補給することで改善が図れます。この場合は、日常生活を過ごす上で発汗は必ず起きています。寝ている時も呼吸するだけでも体内から水分はなくなるので水を補給する事がいいのです。

この時に水のみを摂り過ぎた場合は、体内の電解質が薄まってしまい低張性脱水に変化してしまうことが多くなります。そうならないためにもスポーツドリンクを摂取するようにしましょう。


等張性脱水への対処法

等張性脱水の場合は、急速に水分が失われる事で起きることが多くあります。この場合は、水とNaの補充が必要です。塩を舐めながら飲水するか味噌汁などがいい水分補給となります。

しかし、急速に失われた場合は、倦怠感が非常に強く現れる事がほとんどです。この場合は、経口補水液と書かれたものを飲むといいです。

経口補水液は、電解質が多く入っており、なおかつブドウ糖が少なくなっているので血液に補充されやすくなります。夏場は、この脱水が多くなるので注意が必要です。


低張性脱水への対処法

低張性脱水の対処は、疾患や内服薬で対応が変化してしまいます。疾患や利尿剤を内服している場合は、医療機関での対処がいいでしょう。

それ以外で起きるのが高齢者で水分補給せず電解質が乱れたために細胞内に水が多くいき、血液の水分量が減ってしまっている脱水になりますので、血液の量を増やすには、経口補水液が最適です。

甘いブドウ糖が入っていると細胞内に水分が吸収されやすくなりますので、さらに体がむくむ事が考えられます。水分補給しても細胞内にいってしまい血液量は増えないので脱水が改善しなくなってしまいます。

この他にも、発熱が多くあります。39℃以上になると脳にダメージが出始めるので外からでも温度を下げる必要があります。


経口補水液の作り方

経口補水液は、自分で作る事もできます。

  • 砂糖:30g
  • 塩:3g
  • 水:1リットル

を混ぜるだけです。

自宅や施設では、夏場は数日間のみ冷蔵保存で作り置きをしていてもいいかもしれません。この経口補水液は、分量はしっかりと決まっています。間違った分量の場合は、効果が乏しくなりますので注意が必要です。


ポイント

  • 脱水症状に最も最適なのは経口補水液
  • 経口補水液は、しっかりと分量を守ることで、自分でも作れる


※この記事は、看護師の資格を保有している方によって執筆されました。

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