歯周病の原因

  • 作成日:2017.06.01
  • 更新日:2017.05.31
健康

歯周病の原因について解説します。歯周病は歯周病菌によってもたらされますが、どのような種類の歯周病菌が要るのでしょうか。歯周病が起こるメカニズムから歯周病の感染と予防についてもご紹介します。

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歯周病菌

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歯周病の原因は「歯周病菌」です。歯周病菌は空気が苦手であるため、歯垢(プラーク、磨き残し)の内部や、歯周ポケットの奥で繁殖をします。磨き残しが多く、磨きにくい場所があると、その部分で歯周病は繁殖します。

歯周病が進行し、歯周ポケットが深くなると、その内部で歯周病菌はさらに繁殖をします。また、歯周ポケット内に縁下歯石という黒い歯石を作り、その縁下歯石からも毒素がでるため、歯周病をどんどん進行するという悪循環がはじまります。

また、歯周病は歯周組織、特に歯槽骨に大きく影響を与える病気です。そのため、かみ合わせなどの問題で過度に力がかかりやすい歯が歯周病になると、歯周病菌で弱った歯槽骨に過度のかみ合わせの力がかかり、その部分だけ限局的に歯周病が重症化することもあります。

歯周病菌はお口の中の常在菌であり、誰もが持っている菌ですが、もともとの歯周病菌の多さや、種類が歯周病の進行に大きく関わります。

特にレッドコンプレックスと呼ばれる3種類の歯周病菌を持っている方は、歯周病が重症化しやすく、通常の歯周病の治療をしても症状が改善しないことがあります。レッドコンプレックスは、全く持っていない人もいます。

歯周病菌の種類

歯周病とは、歯周組織という歯を支える組織が破壊される病気で、その原因は歯周病菌とよばれる細菌です。歯周病菌と一言で言いますが、実は歯周病菌に分類される細菌はたくさんあります。

歯周病菌の代表格としてあげられるのが、

  • アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(アクチノバシラス・アクチノマイセテムコミタンス)
  • ポルフィロモナス・ジンジバリス

という細菌です。その他にも、

  • カンピロバクター・レクタス
  • フゾバクテリウム・ヌクレアタム
  • ストレプトコッカス・インターメディウス
  • トレポネーマ・デンティコーラ

という細菌なども疑われています。

歯周病の症状が起こる理由

こうした細菌がリポリサッカライドという物質を産生するのですが、これは人間にとっては毒素の様な存在でして、マクロファージ等の免疫系細胞が排除しようと活動します。このとき、マクロファージがマトリックスメタロプロテナーゼという酵素やプロスタグランジンE2という炎症細胞、インターロイキン1βや腫瘍壊死因子などの細胞因子を産生し、身体を守ろうとします。

その作用は、歯周病菌が産生する物質を排除する働きがある一方で、歯周組織を形作っている細胞同士を繋げている結合組織を破壊したり、歯槽骨という歯を支える骨を溶かしたりする働きもあります。この結果、結合組織の破壊により歯肉炎が起き、歯槽骨が吸収されることで歯周炎が生じます。

つまり、歯周病菌が直接的に歯周組織を傷めるのではなく、歯周病菌を排除しようとする生体側の免疫作用の反作用で、歯周組織が破壊されていくと考えられています。これが、歯周病菌により歯周病の症状が起こる理由です。

レッドコンプレックス

歯周病の原因は、細菌、いわゆる歯周病菌にあります。実は歯周病菌と一言で言っても、歯周病菌は一種類だけではありません。そのなかでも特に、歯周病に関連性の深いとされる細菌が3菌種あります。これらをあわせて、レッドコンプレックスとよんでいます。

お口の中に数百種類もの細菌がいるとされています。レッドコンプレックスとは、これらの細菌のうち、歯周病の原因と考えられている細菌を、歯周病への影響度順に並べてピラミッド状にしたもののうち、頂点にある細菌群を指す表現です。なお、レッドコンプレックスの下の階層は、オレンジコンプレックスとよばれています。

レッドコンプレックスに含まれる細菌は3種です。

  • ポルフィロモナス・ジンジバリス
  • トレポネーマ・デンティコラ
  • タネレラ・フォーサイセンシス

ポルフィロモナス・ジンジバリス

ポルフィロモナス・ジンジバリスは、歯周病の原因菌と早くから目された嫌気性菌とに分類される細菌です。嫌気性菌とは、酸素が多い環境は苦手とする細菌種のことをいいます。この細菌は、慢性歯周病の歯茎から比較的よく見つかっており、バイオフィルムとよばれる細菌の塊を作りやすい性質があります。

歯の表面には、爪や爪楊枝等でこすると剥がれてくる白いカスの様なものがついています。これを以前はプラークとよんでいました。研究の結果、プラークの正体は細菌の集合体であることがわかり、近年はプラークではなくバイオフィルムと呼び方が変わってきました。あくまでも名前が変わっただけで、中身は変わっていません。

ポルフィロモナス・ジンジバリスは、リポポリサッカライド(LPS)とよばれる毒素を産生します。この毒素が、歯茎や歯槽骨とよばれる歯を支える骨がダメージをうける原因です。これにより歯周病を引き起こすと考えられています。

トレポネーマ・デンティコラ

トレポネーマ・デンティコラも嫌気性菌のひとつです。この細菌は歯茎の隙間から歯茎の内部に侵入し、そこでタンパク質を破壊することが歯周病を引き起こしていると指摘されています。

タネレラ・フォーサイセンシス

タネレラ・フォーサイセンシスも、嫌気性菌の一種で、歯周病患者からよく見つかっています。フォルフィロモナス・ジンジバリスと同じく毒素を産生し、歯周病を引き起こすと考えられていますが、まだ解明されていない点も多く残されています。

歯周病はうつる

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自分から自分へうつる

歯周病は、書いて字のごとく、歯の周りの病気です。こう書くと、お口全体の歯に、まんべんなく広がっていく様なイメージになりますが、たしかにそのような場合もありますが、歯周病が特に進んだ歯とそうでない歯が明確に分かれていることが多いです。これはレントゲン写真みればよくわかります。

歯周病菌によって起こる病気ですが、歯周病菌は歯の周囲に付着しているプラークの中にいます。プラークとは、歯の表面を爪や爪楊枝でこすった時についてくる白いカスの様な物質のことです。この正体は細菌の塊です。この中には実に、200種類以上の細菌がいるといわれています。

歯周病は、このプラークを減らすことが治療を行なう上でとても大切になってきます。これをプラークコントロールといい、日常の歯みがきがとても大きな比重を占めてきます。しかし、利き手の関係や、奥歯は磨きにくい等の理由で、全ての歯を均等にきれいに磨くことはとても難しいです。磨き残しが多い歯から歯周病は起こってきます。

歯周病が進行するにつれて、歯の周囲の骨が溶けてなくなっていきます。どんどん溶けていくと、やがては隣の歯の周囲の骨まで影響されてきます。そして、歯周病による骨の吸収が隣の歯にうつっていくのです。こうして歯周病は、隣の歯へどんどんうつっていきます。

他人から自分へうつる

人間は、生まれる前、母親の胎内にいるときは、基本的に無菌状態にあり、細菌とは無縁の環境にて成長しています。生まれた時には、お腹の中にいる大腸菌も、そして歯周病の原因である歯周病菌も持っていないのです。これらの細菌は、常在菌と呼ばれ、人間の中にいるのが自然な細菌なのですが、実は、すべての常在菌は出生後に感染して獲得していくものなのです。

例えば、歯周病の原因菌の一つであるアクチノバシラス・アクチノマイセテムコミタンスは、若い人がなりやすい若年性歯周病の原因菌ともされています。若年性歯周病というだけあって、若い時に感染しやすい傾向があると言われています。この場合は、親から子への感染です。

歯周病はどんな時にうつるのか

親から子へは、唾液を介して感染すると言われています。

  • 食事の時に同じお箸を使う
  • 食べやすいように噛んで柔らかくしてから食べさせる
  • キスをする

こういったことが唾液による感染経路として考えらています。

また、ポルフィロモナス・ジンジバリスは、成人の歯周病の原因として知られている細菌ですが、これは、子供の頃に親から感染するだけでなく、成人してから夫婦間でも感染が成立するとも言われています。このために性感染症の一つとみなす考え方もあります。

歯周病菌は、これらだけではないのですが、どれもが唾液を介した感染であろうと言われています。すなわち、歯周病は人から人へとうつる病気といえます。

歯周病がうつるのをどう防ぐか

では、感染が生じないようにするにはどうすればいいのでしょうか。ポルフィロモナス・ジンジバリスのような成人してからでも感染が成立するような細菌を防ぐのは非現実的ですが、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスのような、子供の頃は感染しやすいが、成人してからは感染が起こりにくいタイプの歯周病菌に対しては、子供の頃に親や祖父母など周囲の大人の唾液に触れさせないように注意することで、防げる可能性があります。

そのためには、

  • 同じお箸や歯ブラシは使わない
  • 一度でも大人の口に入れたものには触れさせない

こういった唾液の接触を防ぐことが有効と言えるでしょう。

※この記事は、歯科医・歯科衛生士の資格を保有している方によって執筆されました。

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