健康

2017/05/07

結核は過去の病気ではない! 最悪の事態をどう防ぐべきか

結核は過去の病気ではない! 最悪の事態をどう防ぐべきか

最近咳や痰が長く続くなあ…とお困りのあなた、それは本当にただの風邪でしょうか。もしかすると結核の恐れがあります。結核は過去の病気だから、現在はもうかからないと思っていませんか? 正しい知識をもって結核予防を行いましょう。


結核とは?どんな症状が出る?

結核とは結核菌によって引き起こされる感染症の一つです。数千年前から存在し、日本にも古くから存在したといわれています。結核の流行が始まったのは明治頃のことで、当時は国民病、亡国病といって恐れられていました。

しかし、医療の進歩により予防法、治療法が確立され始め結核患者は激減しました。このまま撲滅までいくと思われましたが、多剤耐性結核などが出現しだして結核の減少は停滞、1999年には「結核緊急事態宣言」が出されました。そして現在も年間2万近くの人が新たに結核を発病しているのです。

そんな結核はどんな症状が現れる病気なのでしょうか。

結核の症状として、初めは咳、痰、微熱などが長く続きます。そのため、風邪や喘息と間違えて放置してしまうことがあります。やがて悪化し、だるさ、息切れ、血の混じった痰が出る、血を吐く、呼吸困難といった症状が現れてきます。

多くが肺結核・肺炎を引き起こしますが、それだけでなく肺から血中に運ばれ結核性髄膜炎や粟粒結核を引き起こします。骨や関節にも運ばれ、背骨に運ばれ悪さをすると脊椎カリエスという病気を引き起こします。

結核の恐ろしいところは単なる咳や痰が出ることではなく、結核菌という細菌が全身を循環し悪さをすることで人を死に至らしめることもあるということです。そのため長く続く咳や痰を風邪だと思いこんで放置しておくことは、大変危険なことなのです。


結核の原因や感染経路は?

結核の主な感染経路は飛沫感染と空気感染です。人の喉などに存在する結核菌が咳やくしゃみなどで空気中に散布され、それを他の人が呼吸により取り込むことで体内に侵入し感染します。しかし、結核菌はしばらく空気中にいると日光などによって死滅してしまいます。

そのため、会社や公共施設のドアノブや手すりなどを触って目をこすったり、食べ物を食べたりすることで感染する接触感染は起こりにくいのです。


どんな人が結核になりやすい?

人が多いところではそれだけ結核菌を保有している人の数が多いです。そのため、営業などで人の往来が多いところによく行く人はそれだけ結核にかかりやすくなります。

さらに、人がくしゃみや咳をしたとき、もしその人が結核菌を持っていれば感染してしまいますので、病院や会社などで体調が悪そうな人の近くにいる機会が多い人はかかる可能性が高くなります。

通常、人は免疫機能が備わっていますので、健康なときには結核菌をもらっても発症しにくいです。しかし、仕事などによるストレスが溜まっていたり寝不足だったりすると、体が弱っており免疫機能もうまく働かないため、結核菌によって体が侵されてしまいます。

また、年をとると免疫力も衰えてきますので、肺の中に潜んでいた結核菌が体内で悪さをしだします。これを内因性再燃といいます。それだけ免疫力の低下が結核の発症に関係しているということなのです。


結核の治療法

以前は恐ろしい病気でしたが、今では化学療法により非常に高い治療効果を得ることができます。様々な治療薬が存在しますがいくつか例を挙げたいと思います。

  • イソニアジド(錠剤)
  • リファンピシン(カプセル剤)
  • ピラジナミド(粉薬)
  • ストレプトマイシン(筋肉注射)

この他にもいろいろな抗結核薬が存在するのですが、どうしてこんなにたくさん種類があるのでしょうか。その理由は耐性菌の出現を防ぐためです。

結核菌に対して、最初はリファンピシンを用いて治療が行われていました。しかし、しばらくすると治療効果が低くなっていることが判明します。そこで、リファンピシンとともに別の薬を併用してみると治療効果が高くなることが分かり、そこから耐性菌を増やさないために、複数の種類の抗結核薬を作り、複数の薬を併用して治療するようになりました。


結核の予防法

結核菌の感染経路は飛沫感染と空気感染ですので、人の多いところには行かない、行く場合にはマスクなどをするということが鉄則です。感染症は何かを媒介して感染していく病気となりますので、その媒介手段を遮断すれば感染の可能性はかなり低くなります。

しかし、予防していても菌を体内に取り込んでしまうことはありますので、結核菌が体内に侵入しても病気を発症しないような健康な体を作る必要があります。例えば、ストレスを溜めないこと、睡眠をしっかりとること、適度な運動をすること、栄養をしっかり摂ること、といったことをするだけでも結核だけでなく、多くの病気を予防することができます。

結核の怖いところは悪化してしまったときに様々な病気につながるというところにありますので、仕事で忙しいからと言わずに体の不調を感じたら早めに病院へ行くようにしましょう。


まとめ

結核は確かに恐ろしい病気ではありますが、現在は薬も開発され治る病気となっています。このことは医学の進歩の賜物でありますが、病気に対する最大の対策の一つは、正しい知識を身に付けるということです。病気を知り、適切な予防を行い、適切な検査をしてもらうことで結核だけでなく多くの病気を防ぎましょう。

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