健康

2017/03/22

肛門周辺に穴が開く! 恐ろしい痔の一種、痔瘻(じろう)とは?

肛門周辺に穴が開く! 恐ろしい痔の一種、痔瘻(じろう)とは?

様々な種類のある「痔」ですが、なかでも痔瘻(じろう)は、治療で手術をすることが多いとされている、深刻な肛門の病気です。この痔瘻の症状や原因、治療法や普段の生活で出来る予防方法についてご説明しましょう。


痔瘻(あな痔)とは?

いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)に並ぶ肛門の疾患の一つですが、いぼ痔、切れ痔に比べると発症しにくいといわれているのが痔瘻(じろう)です。

痔瘻(別名、あな痔、肛門周囲膿瘍)は、肛門内部にある歯状線のくぼみに大腸菌等の細菌が入り込むことによってそこが化膿し、膿が溜まってしまう状態のことをいいます。

膿の溜まる肛門内部のくぼみを肛門陰窩(こうもんいんか)といい、肛門粘膜と直腸粘膜の境目の部分全面にわたり数十か所あるもので、女性より男性に多いとされています。つまり、痔瘻は女性より男性が発症しやすい痔の症状だといえるのです。


痔瘻の症状

痔瘻の症状としては、排便時に膿が出るということがあげられます。排便すると、便の摩擦などで膿の溜まっていた部分が破れ、膿が便と一緒に出てきます。

排便時だけではなく、普通に過ごしていても痛みがあるのがこの痔瘻の症状でもあり、ズキンズキンと脈を打つような痛みがあるといわれています。また、38~39℃の発熱を伴うこともあります。

膿が出ることで一時的に症状は軽くなりますが、それでも膿が出続けることもあり、膿が下着に付着することもあります。痔瘻になると肛門の周辺も熱を帯び、熱く感じることがあります。


どんな人が痔瘻になりやすい? 原因は?

では、どのような人が痔瘻を発症しやすいのでしょうか。まず、よく下痢になるというタイプの人は、痔瘻になりやすいとされています。下痢をすると便が柔らかく、細かくなるため、肛門陰窩(くぼみ)に便が入り込みやすい状態を作ってしまい、便が入り込むと細菌が感染してそこが化膿してしまい、膿が溜まります。

同じ原理で、ウォシュレットをよく使うという人も、便が下痢と同じ状態に緩くなるため、痔瘻を発症しやすくなります。また、肛門陰窩の形状が深いタイプの人も、細菌が奥まで入り込んで出にくくなり、清潔な状態を保ちにくくなるため、痔瘻になりやすいといわれています。

排便時にいきみが強い人も、肛門の周辺の皮膚が裂けやすくなるため、痔瘻を誘発させてしまいます。また、身体的な疲労や精神的なストレスがかかると、肛門内部の皮膚の免疫が弱まり、細菌が繁殖しやすくなり痔瘻を発症させやすくなるのです。


痔瘻の治療法

痔瘻の治療法は、いぼ痔や切れ痔などの他の痔の治療法とは異なるものです。いぼ痔や切れ痔は、症状が重くなければ市販の塗り薬などで治療ができるといわれています。しかし、痔瘻の場合、治療には手術が必要になる場合が多いのです。

痔瘻は基本的に肛門科での治療が必要なものですが、消化器科などで治療ができる病院もあります。また、症状が酷ければ、一刻も早く手術を受けることが推奨される病気です。

痔瘻の手術の方法としてまずあげられるのが、切開開放術です。痔瘻が発症している瘻管の入口から膿の出ているところを切開して膿を出すという手術の方法ですが、この方法が最も成功率が高く、完治もしやすいといわれています。

しかし、この方法だと肛門周辺の形状が変わってしまったり、肛門機能が低下する場合もあるとされています。また、シートン法という、瘻管にゴムで出来た糸状のものを通して徐々に締め付けて、瘻管を開放させる方法もあります。

この手術での再発率も低く、切開するのに比べると肛門の形状への影響も少ないとされていますが、瘻管の開放に時間がかかる(数か月間)ことがデメリットです。

そして、括約筋温存術という、瘻管をくりぬく手術の方法もありますが、他の2つの治療法に比べると再発率がやや高いとされていて、また、かなり高度な技術と豊富な手術経験が要される治療法といわれています。

しかし、この方法だと肛門の変形を防ぎ、筋肉も傷つけないとされています。もちろん、手術を要するかどうかは、症状の重さによることもあります。病院で検査を受けるようにしましょう。


痔瘻にならないためにはどうすればいい?

痔瘻を予防するには、まず、下痢を防ぐことが大切です。下痢の原因の一つとしては、食生活の乱れがあげられますが、特に脂っこい物やお酒、辛い物など刺激の強い食べ物の摂取は、腸に負担がかかるため下痢を促します。食事ではそのような食べ物を摂り過ぎないよう、注意しましょう。

また、腸内環境を整える作用のある食べ物を選ぶようにしましょう。代表的なものとしては、乳酸菌を含むヨーグルトやチーズ、納豆などの発酵食品が腸内の善玉菌のはたらきを良くし、腸を健康な状態に導き下痢を防いでくれます。

体の冷えも下痢を誘発させます。特に夏場、暑いからといって冷たいものを摂り過ぎたり、クーラーのきいた部屋に長時間居ることも避けましょう。

また、良質の睡眠を摂ることも、内臓のはたらきを改善させるため、下痢の予防には効果的です。毎日同じくらいの時間に眠り、睡眠時間もなるべく毎日同じだけ摂る(理想は6から8時間)ことが理想的です。

良質な睡眠は、消化器官のはたらきを良くすることに加え、ストレスを軽減させるため、精神的ストレスによる下痢も防いでくれます。

そして、症状に下痢を伴う疾病やウィルスの感染を防ぐことも大切です。特に、食べ物や他の感染者から感染することの多いノロウィルスやロタウィルスの感染を防ぐには、食事の衛生状態や周囲にそのようなウィルス感染者がいないか注意する必要があります。

完全に防ぐのは難しいですが、そのような患者が集まりやすい病院などではトイレを使わないようにしたり、帰宅後によく手洗いをするなどをして感染を防ぐようにしましょう。


まとめ

痔瘻は一旦発症すると手術での治療が基本となってくる、深刻な病気です。しかし、近年は内視鏡の技術も発達し、切開手術でも入院無しで日帰り出来たりする病院も増えてきており、治療による負担が軽くなる傾向にあります。痔瘻かも?と感じたら、なるべく早く病院に相談し、適切な検査、治療を受けましょう。

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