健康

2017/01/07

血圧と塩 ~日本の食文化の変遷にみる健康~

血圧と塩 ~日本の食文化の変遷にみる健康~

高血圧に塩分はよくないといわれます。しかし、それは本当なのでしょうか? 専門家にご意見を伺いました。また、推奨される塩分量などについてもお聞きすることができました。正しい知識を健康に役立てていきましょう。

30代男性からの相談:「高血圧に塩分がよくないというのは本当なの?」

塩分制限について質問です。
この年齢になると血圧その他の健康診断・人間ドックを毎年受けます。よく言われるのが「塩分多く摂り過ぎないでくださいね」です。
ところが週刊誌には「高血圧患者への塩分制限は間違い」などの記事をたまに見かけます。それはどちらが正しいのでしょうか?
日本人は味噌汁や和食もあるので、塩分を制限することはなかなか難しいです。年齢別、症状別で塩分の摂取量の目安や制限値なども分かれば教えて欲しいです。

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高血圧に塩分はよくない

専門家によれば、高血圧に塩分がよくないというのは証明されているといいます。週刊誌などの情報は目を引くために逆説的な見出しをつけることが多々あります。医学的に正しい情報を取り入れるようにするのがいいでしょう。

高血圧と塩分の関係は実際に証明されています。塩分を多く摂りすぎると体の中の塩分濃度を一定に保とうとするために水分を多く取り込もうとします。そのために、身体の循環血液量が増えて心臓に負荷がかかり、血圧も上がります。その状態が長く持続すると血管にも負担がかかり動脈硬化が進行していきます。動脈硬化は知らない間に進行するので、検診などで高血圧を指摘されたら減塩や食事指導をはじめることが大切です。(看護師)
高血圧の基準は診察室の血圧で140/90mmhg、家庭内血圧で135/85mmhg以上になっています。下の血圧だけ高い人は塩分の過剰摂取が多い傾向にあります。減塩目標数値は6g/日です。これは最初からこの数値にすると持続しないので10gを目標にして、徐々に薄味に慣れていくのが持続しやすいといいます。日本人男性の平均塩分摂取量は11.5gとなっています。(看護師)

推奨される塩分量とは?

世界的な塩分推奨量と日本での塩分推奨量は違います。もともと、日本人は塩分を多く摂る食生活を送っていました。その代わり、野菜を中心とする食文化がありました。歴史的に見れば、それが多い塩分でも健康を維持できたのだといえそうです。

日本人の塩分摂取量は1日平均10.4gで、諸外国と比較すると高い値で、WHOは1日に5g以下を推奨しています。実際に、日本人の高血圧の割合は高く、5000万人近い人が高血圧です。(看護師)
塩分摂取量が多いと、血液中のナトリウムが増えるため、薄めようと水分を必要とします。そのため、心臓から送られる血液量が増えて、血管を押し広げて血圧が高くなります。そのような背景から、厚生労働省は、2015年に18歳以上の男性の塩分摂取量の目標値を1日に9.0g以下から8.0g以下に変更しました。(看護師)
子供の頃から高血圧などの生活習慣病を予防することが大切なため、6~17歳の塩分摂取量の目標値も追加されました。なお、高血圧学会の目標値は、1日に6.0g未満、腎臓病患者では3.0~6.0gが理想とされています。(看護師)

塩分への対処法

正常な血圧を維持するために、正しい塩分対処法を学んでおきましょう。

減塩にするには、ファストフード、スナック菓子、外食を控える、ソース、しょうゆ、マヨネーズなどお酢に変える。薄味の味噌汁が飲めない人は量を半分に減らす、ラーメンなどはスープを残すようにすることが大切です。自炊ができない人はこれだけでも減塩ができます。(看護師)
肥満も高血圧の因子です。適度な運動は血圧を下げる効果もあります。(看護師)
身体の余分な塩分を排出してくれるカリウムを含む食品バナナ、イチゴなどの果物を摂るようにしてください。野菜にも動脈硬化を予防する栄養素が多く含まれています多く摂るようにしましょう。(看護師)

昔から続いてきた日本の伝統的な食文化は、今や西洋文化と結びついて変容しています。現在の食文化の中でかつての塩分摂取量を続けていれば、身体にダメージが蓄積していくことは避けられないことかもしれません。味噌や醤油といった塩分を多く含む調味料は、野菜中心の食事だからこそ活きたのでしょう。時代の変遷と食事は密接な関係にあります。歴史と食、そして健康について再考し、豊かな人生を送れるように工夫していきましょう。

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