メンタル

2016/12/07

睡眠障害が引き起こす健康被害とは?*

睡眠障害が引き起こす健康被害とは?*

不眠症が危険な精神状態へのプロセスになってしまう!

・不眠症とは

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国民の20%が睡眠に関する悩みを抱えているという。特に、30代以上の不眠は増加傾向にあるといわれている。不眠症では、睡眠時間は問題ではない。睡眠の質が大切なのだ。

不眠症には4つのタイプがあり、同時に現れることもある。

入眠困難
眠るまでに30分~1時間以上かかってしまう
中途覚醒
眠っても夜中に何度も目覚めてしまう
早朝覚醒
起きたい時間より2時間以上前に起きてしまう
熟眠障害
よく眠れなかったと感じてしまう

上の症状が1ヵ月以上持続していること日中に身体の不調が出ること。それが不眠症だ。


・不眠症の原因は大きく6つある

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原因その1:ストレス

プライベートや仕事で蓄積されてきたストレスが交感神経を刺激する。交感神経は起きている時に働く神経だ。だから、不眠に陥ってしまう。
さらに、不眠が続くと眠れないということに不安を強めてしまい、不眠が悪化するという悪循環に至ることもある。

原因その2:身体の病気

高血圧・心臓病
胸の苦しさを生じるため
呼吸器の疾患
咳や発作で安らぐことが難しい
腎臓病・前立腺肥大
頻尿の原因になり、夜中起きてしまう
関節リウマチ
痛みを引き起こし、安眠を妨げる
アレルギー症状
かゆみで寝つくのが困難になってしまう

以上はほんの一例だが、不眠に繋がるものは病気としての自覚が少なく、放置されがちである。いつまでも対策を講じないと、不眠も病気も悪化の一途をたどるばかりだ。

原因その3:うつ病

うつ病による不眠は通常の睡眠薬では治ることはない。無為に睡眠薬だけを処方され、知らずのうちにうつ病も不眠も慢性化してしまうケースも少なくない。

うつ病では、早期覚醒が見られることが多い。夕方に向かうにつれて元気が湧いてくるような場合は、うつ病を疑うといいかもしれない。

原因その4:薬や刺激物

薬の副作用や眠りを妨げる物質が不眠を引き起こす場合もある。
薬では、降圧剤や甲状腺製剤、抗がん剤など。飲み物では、コーヒーや紅茶に含まれるカフェイン。喫煙の習慣がある場合は、ニコチンも不眠の引金になりうる物質だ。

原因その5:生活リズム

夜勤の仕事や時差ボケによって体内時計が乱れ、本来寝るべき時間に眠れなくなってしまう。

原因その5:環境

寝る時の環境が劣悪だったり、睡眠に合っていないと身体が寝る準備を整えられなくなってしまう。騒音や光、いつもと違う枕を使ったり、夏場の暑さや冬の寒さなどで環境は変わる。


・不眠症で起こる健康障害

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不眠症になると、懸念されるのは精神の状態だ。

不眠になってしまい、昼夜が逆転すると、日中の倦怠感や意欲・集中力の低下につながってしまう。そこから、何となく体の不調が続くという不定愁訴の症状に向かっていくことが考えられる。

不定愁訴は重い症状ではないが、自律神経失調症の引金になる可能性もある。自律神経失調症は抑うつ状態と似ており、抑うつはうつとの境界線があいまいだ。

不眠が常態化していく中で抑うつ状態が何ヵ月も続くとノイローゼ、いわゆる神経症に発展する恐れもある。ノイローゼは自殺を考えてしまうケースもあり、危険な状態だ。

うつ病から不眠が生じる場合も同様に不安定な状態といわざるを得ない。うつ病患者の自殺率は15~25%だとする説もある。

よく眠れる方法について詳しく知りたい方はこちらへ

・不眠と拷問

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眠らないことが身体に重大なダメージを与えることは古来より知られてきた。では、人は眠らないとどうなってしまうのか?

これまでの最長不眠時間は約260時間といわれている。これは断眠実験として知られており、不眠が人体にどれだけの影響を与えたのか記録が残っている。

断眠2日目:
怒りっぽく、集中力を欠き、テレビを観るのも困難に

断眠4日目:
妄想や幻覚が激しくなる

断眠7日目:
会話が難しくなる

断眠9日目:
無表情になり、眼球運動に異常が現われる

死こそ免れたものの、重大な不調が被験者を襲ったことが分かる。

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こうした著しい不調をもたらす断眠は拷問に用いられた。ナチスでも断眠による拷問は行われていたようだ。断眠法と呼ばれるもので、人体に刺激を与え続け常に覚醒した状態を保ったのだという。

また、2001年以降アメリカはテロ撲滅の大義名分を掲げ、主に中東で拷問による諜報活動を実施していた。その中で、断眠による拷問が行われていたことが指摘されている。

過去には「ユダの揺り籠」と呼ばれる拷問器具も存在していた。犠牲者は、尖った器具の上に吊るされた。常に力を入れていなければ、尖った器具が突き刺さるため、寝ることが許されなかったという。

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しかし、皮肉なことに、うつ病の治療法には断眠療法というものがある。うつ病患者は、長い時間覚醒し続けることで精神状態が安定すると見られている。断眠療法は、覚醒療法ともいわれ欧米では効果が期待できると考えられているようだ。

最後に、最近の研究で明らかになった睡眠に関するニュースをご紹介しよう。医学の進歩は、やがて睡眠障害の悩みを残らず氷解させてしまうかもしれない。

2016年11月7日、睡眠に関するニュースが報道された。筑波大、理化学研究所、米テキサス大を含む国際研究グループが睡眠の長さ・質を決定づける2つの遺伝子を発見したのだ。マウス実験によって、過眠症は「Sik3」、目覚めやすくなってしまうのは「Nalcon」というそれぞれの遺伝子が突然変異していることを突き止めた。このような遺伝子の働きはこれまで分かっていなかったが、今回の発見によって睡眠障害治療への応用が期待されている。
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