健康

2016/10/11

血圧を下げる食品や食材・食生活を栄養素から徹底解説!*

血圧を下げる食品や食材・食生活を栄養素から徹底解説!*

血圧を下げる食品・食材・食生活を一挙にご紹介。高血圧の人のために栄養素から徹底分析しました。DHAやEPA、カリウムはなぜ血圧を抑制できる? どのように食生活を改善すればいい? 食事で健康的な血液・血管を目指そう。

血圧を下げる栄養素には4つのタイプがある

血圧を下げる、いわゆる高圧作用を持つ物質や栄養素は、実は数多く存在しています。血圧を下げる栄養素を分類していくと、そのメカニズムから4つのタイプに分けられることが分かりました。それが以下のものになります。

・血液に作用して血圧を下げるもの
・血管に作用して血圧を下げるもの
・交感神経に作用して血圧を下げるもの
・副次的に血圧を下げるもの

それでは、タイプ別に栄養素とそれが含まれる食品・食材を見ていきましょう。


血液に作用して血圧を下げる栄養素

DHA(ドコサヘキサエン酸)

ω-3脂肪酸に分類されており、体内で生成できないため必須脂肪酸となっています。
DHAは血中の中性脂肪であるトリアシルグリセロール(トリグリセライド)を減少させる作用もあります。

魚油に多く含まれています。特に青魚に多く、調理するのではなく新鮮な状態で食べるのがいいとされています。
魚に含まれているω-3脂肪酸は赤血球膜を柔らかくする作用を持ち、血液がサラサラになる効果が期待できます。

DHAを多く含む食品・食材

マグロ、ブリ、サバ、サンマ、ウナギ

EPA(エイコサペンタエン酸)

DHAと同じく魚油や魚に多く含まれており、ω-3脂肪酸であるため、赤血球膜を柔らかくする作用があります。

分解されることで、後述するプロスタグランジンが現われます。プロスタグランジンも血圧を下げる効果があるといわれています。

EPAを多く含む食品・食材

クロマグロ、マイワシ、ハマチ、ブリ、サンマ

DHAやEPAなどの魚油由来の成分を含むサプリメントが多くありますが、痛風などのリスクもありますので、注意しましょう。


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クエン酸

クエン酸は血中の中性脂肪やコレステロールを減少させる作用があると考えられています。
コレステロールのうち、悪玉コレステロールは多くなると血管壁にへばりつき、血流を阻害してしまうのです。

また、クエン酸ナトリウムは抗血液凝固剤として使われており、血流を改善する効果もあるといいます。
酸っぱさの源で、柑橘類など酸っぱいものに多く含まれています。

クエン酸を多く含む食品・食材

レモン、グレープフルーツ、ライムいちご、アセロラ

アリシン

アリシンは血液と血管の両方に作用する栄養素です。
抗酸化作用があり、血中のコレステロールを分解する効果が期待でき、動脈硬化のリスクを下げてくれます。

血管を拡張し、血流をよくしてくれる働きもあるといわれています。

アリシンを多く含む食品・食材

ニンニク、ニラ、タマネギ、長ネギ、ラッキョウ

β-シトステロール

植物由来のもので、コレステロールに似た構造を持っており、コレステロールより先に胆汁酸と結合して、腸でのコレステロール吸収を抑えてくれるそうです。

β-シトステロールを含んでいる食品は特定保健用食品として認可されています。

β-シトステロールを多く含む食品・食材

アボカド、カシューナッツ、大豆、カボチャの種子、米糠


血管に作用して血圧を下げる栄養素

亜鉛

動脈硬化の要因はコレステロールだけと考えられてきましたが、活性酸素も引き金になっていると考えられるようになりました。
この活性酸素を分解してくれるのが、スーパーオキシドジスムターゼという酵素です。

亜鉛はスーパーオキシドジスムターゼと結合して有効な作用をもたらすといわれています。
亜鉛は血管のメンテナンスに必要不可欠なミネラルなのです。

亜鉛を多く含む食品・食材

牡蠣、豚レバー、牛肉、カニ缶、卵黄

ポリフェノール

血管は炎症が起こると狭くなってしまいます。
ポリフェノールは血管内の炎症を抑える作用があります。

ポリフェノールを多く含む食品・食材

ブルーベリー、イチゴ、赤ワイン、ココア、ミルクチョコレート

フラボノイド

植物の色素や苦味・辛味成分です。
ポリフェノールの一種ですが、こちらは血管を柔らかくしてくれる作用があります。

フラボノイドを多く含む食品・食材

ブルーベリー、ブドウ、タマネギ、緑茶、蕎麦、大豆

ヘスペリジン

漢方薬「陳皮(ちんぴ)」の主な成分であり、ポリフェノールの一種です。ビタミンPと呼ばれるビタミンに似た物質の一部でもあります。
血圧降下作用や抗酸化作用を持ち、血管に弾力を与えます。

水に溶けづらく、食材からだと体内に吸収されにくいというデメリットがあります。

ヘスペリジンを多く含む食品・食材

ミカン、オレンジ、ライム、キンカン、グレープフルーツ

アルギニン

アルギニンはアミノ酸の一種で、傷などを治癒させる働きを持っています。また、硬くなった血管を柔軟にする作用があります。

必須アミノ酸ではないものの、成長期には必要になるなど、重要な働きを持っています。

アルギニンを多く含む食品・食材

カツオ節、乾燥高野豆腐、落花生、ゴマ、乾燥大豆、クルミ、アーモンド

ルチン

かつてはビタミンPと呼ばれていました。
ルチンには血小板凝集を阻害して、血液が固まりにくくする作用があり、血流をスムーズにしてくれます。

血管に弾力を与える働きもあり、破れやすくなった血管を健康な状態に戻してくれる効果が期待できます。

ルチンを多く含む食品・食材

蕎麦、ケール、ホウレン草、レバー、ナス

ナットウキナーゼ

納豆から抽出された酵素です。血栓溶解作用があるといわれています。

しかし、納豆を食べることで、そこに含まれている栄養素は分解されてしまい、血栓を溶解する作用はなくなるのではないかと考えられています。

ナットウキナーゼを多く含む食品・食材

納豆


交感神経に作用して血圧を下げる栄養素

プロスタグランジン

EPAが分解されることで現れる物質で、血圧低下作用があります。
プロスタグランジンは腎臓で生成され、生理活性作用を持つアンジオテンシンIIの働きを阻害するのです。

アンジオテンシンIIは活性酸素を発生させ、交感神経を活発にすると考えられています。交感神経が活性化すると、高血圧になることが分かっていますが、プロスタグランジンはこの作用を抑えることができるのです。

プロスタグランジンはアラキドン酸を材料としていますので、食品としてはアラキドン酸を意識してとるのがいいでしょう。

アラキドン酸を多く含む食品・食材

卵黄、サワラ、豚レバー、ワカメ、イワシ缶

ペプチド

ペプチドには多くの種類がありますが、バリルチロシンというペプチドは、イワシから抽出されたものです。
バリルチロシンは「サーデンペプチド(イワシのペプチド)」とも呼ばれ、多くのサプリに使われています。

ペプチドの降圧作用はプロスタグランジンと同じようにアンジオテンシンIIの働きを阻害することで発揮されます。
アンジオテンシンIIの働きが抑えられることで、交感神経が活性化することによる高血圧を防止してくれるのです。

ペプチドを多く含む食品・食材

大豆、牛乳、プロセスチーズ、サケ、イワシ

タウリン

タウリンはアミノ酸から作られる物質で、ノルアドレナリンの分泌を抑える働きがあります。
ノルアドレナリンは交感神経を活性化させる作用があります。そうすることで、血管が収縮し血圧が上昇するのです。

タウリンはノルアドレナリンの分泌を阻害して血圧を正常に保ちます。

タウリンを多く含む食品・食材

タコ、サザエ、ホタテ、牡蠣、カツオ

カテキン

カテキンはプロスタグランジンやペプチドと同様に、アンジオテンシンIIの働きを抑えることができます。
結果として交感神経の働きを落ち着かせて血圧の上昇を防ぐのです。

他にも、血中コレステロール調節作用や血糖値調節作用もあり、血流の改善にしてくれ、サラサラな血液を作ることができます。

カテキンを多く含む食品・食材

煎茶、番茶、赤ワイン、りんご、ぶどう

ギャバ(GABA)

ギャバとは、γ-アミノ酪酸のことです。
ギャバの作用はタウリンと同様のものになります。

ノルアドレナリンの分泌を抑えることで交感神経の働きを抑え、血圧を低下させます。
ギャバを生成できる乳酸菌を配合した発酵乳製品は、特定保健用食品として認可されています。

ギャバを多く含む食品・食材

トマト、ジャガイモ、ミカン、ブドウ、発芽玄米


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副次的に血圧を下げる栄養素

カルシウム

カルシウムが不足すると、血管などの組織にカルシウムが増えてしまうという現象「カルシウム・パラドックス」が起こります。
そうなるとカルシウムが血管に沈着し、動脈が石灰化してしまい、動脈硬化の危険性が高まります。この現象を防ぐにはきちんとカルシウムをとるほかありません。

また、カルシウムが不足していると、骨から筋肉にカルシウムが流れ出し、収縮してしまいます。
この状態ですと、血管が圧迫され細くなってしまうために血圧も上昇してしまうのです。

カルシウムを多く含む食品・食材

イワシ、ワカサギ、桜エビ、プロセスチーズ、シラス

カリウム

血中の塩分(ナトリウム)濃度が高まると、血液内の水分が増加し、血流が強まるために血圧が上昇してしまいます。
カリウムには、ナトリウムを体外へ排出する作用があります。

血中のナトリウム濃度が低下すると、血中の水分量も減るので血流が治まり、結果的に血圧が下がることになります。

カリウムを多く含む食品・食材

ホウレンソウ、アボカド、バナナ、日本茶、ピスタチオ

マグネシウム

マグネシウムはカルシウムの吸収を助けます。カルシウムが血管に沈着することを防いでくれるため、血管が硬くなって血圧が上昇するのを防いでくれます。

同時に、カリウムの働きを助ける作用もありますので、カリウムと共に血中のナトリウムを体外へ排出してくれます。

マグネシウムを多く含む食品・食材

大豆、きなこ、アーモンド、ゴマ、するめ、

たんぱく質

たんぱく質は身体を構成する重要な栄養素です。血管を形成する物質でもありますので、たんぱく質をとることは血管の材料を補充しているようなものです。

また、たんぱく質にはカリウムと同じようにナトリウムを体外に排出する働きを持っています。血中の水分量を減らし、血圧を下げてくれる効果が期待できます。

たんぱく質を多く含む食品・食材

シラス、大豆、パルメザンチーズ、卵黄、落花生

キニン

キニンは体内で生成される血管拡張作用を持つペプチドです。
ホスホリパーゼA2という酵素を活性化させることで、プロスタグランジンが生成されます。

プロスタグランジンは交感神経を落ち着け、血圧の上昇を抑えてくれます。
ペプチドを含む食品を摂取するといいでしょう。

ペプチドを多く含む食品・食材

大豆、牛乳、プロセスチーズ、サケ、イワシ

オレイン酸

オレイン酸は動物脂肪や植物油に含まれており、皮膚への刺激が少なく、化粧品などにも用いられています。
オレイン酸は過酸化脂質の発生を抑える働きを持っています。

過酸化脂質とは動脈硬化を誘発する物質で、硬くなった動脈は血圧が上がりやすくなってしまいます。

オレイン酸を多く含む食品・食材

マカダミアナッツ、豚肉、鶏肉、牛肉、トウモロコシ

アルギン酸

アルギン酸は海藻のぬるぬるに含まれています。
カリウムやたんぱく質と同様に、ナトリウムを体外へ排出する作用があります。

海藻のぬるぬるに含まれているのは厳密にはアルギン酸カリウムです。
アルギン酸カリウムは、コレステロールやコレステロールから作られる胆汁酸を体外へ排出する効果があります。

アルギン酸を多く含む食品・食材

メカブ、モズク、昆布、ワカメ、ヒジキ

エリタデニン

エリタデニンはシイタケに多く含まれる栄養素です。
エリタデニンはコレステロールを低下させ、動脈硬化を防ぐ効果が期待できますが、そのような作用機序があるのかは詳しくはわかっていません。

一説では、血液中のリポたんぱく質の脂肪酸を変容させることでコレステロールが肝臓などに吸収されるのを助けているのではないかといわれています。

エリタデニンを多く含む食品・食材

シイタケ、エノキダケ、ナメコ、マッシュルーム


血圧を下げる食習慣

減塩

これまで見てきたように、血中のナトリウム(食塩)の濃度が高まると、血中の水分量が増えるため血圧が上昇してしまいます。
ナトリウムは神経伝達や筋肉を動かすのに必要不可欠のもので、身体ナトリウム濃度を一定に保つようになっています。

ナトリウムを多く摂取すると、喉が渇いて水を多く飲むようになります。この水は体内に入ると、身体の細胞の隅々にまで行き渡るわけではありません。
取り入れた水分は一度全て血液にプラスされるのです。ナトリウムを摂取する→水を飲む→血圧が上がるというメカニズムになっています。

では、水を摂らなければいいのかというと、水を摂らないままだと高ナトリウム血症に陥り、酷い場合には意識障害を引き起こしてしまいます。


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バランスの良い食事

血圧を下げる食品についてまとめてきましたが、野菜から肉、果物まで幅広い食材が挙げられています。
血圧を下げるには野菜だけがいいというわけではなく、肉や野菜、海藻など様々な食材をしっかりと取っていくことが重要だということが分かります。

「血圧を下げるから、これを食べる」のではなく、多くのものを食べていくことで結果的に血圧が下がっていくのなら、これほどストレスのかからない食事療法はありません。
季節ごとに旬の食べ物はたくさんあります。食を楽しみながら、日々の生活が健康な身体づくりへつながっていくようにしていきたいですね。


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