コレステロールの基準値はどれくらい? 日本と海外の違いとは?【2017年度版】

  • 作成日:2016.08.23
  • 更新日:2017.08.04
健康

コレステロール。健康診断では、最も注目される数値のひとつといっても過言ではありません。健康な身体を維持したいという人にとっては、数値の増減で一喜一憂することもあるでしょう。

ところで、コレステロールの基準値はしっかりと把握していますか? 実はコレステロールの基準値は5年ごとに変更が加えられています。今あなたが知っているコレステロールの基準値は過去のものかもしれません。そして、インターネットでコレステロールの基準値を調べてもよく分からないのはなぜなのか?

ここでは、現在の総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪の基準値をまとめてご紹介。日本と海外の基準値の違いについても解説いたします。

また、気にするべきはコレステロール値だけではありません。健康を維持したいなら知っておくべき「LH比」についても説明します。

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日本のコレステロールの基準値と異常値

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インターネット上では月間およそ1600回、「コレステロール 基準値」というキーワードが検索されています。

しかし、「調べてみても色々な数字が出てきてよく分からない!」と思った人が大半ではないでしょうか。

なぜこのようなことが起こっているのか、詳しく見ていきましょう。

日本人間ドック学会によるコレステロール基準値

まずは、2017年現在、男性のコレステロールの各数値の基準値を押さえておきましょう。以下のコレステロール基準値は2014年に発表された日本人間ドック学会によるものです。

総コレステロール(TC) 151~254mg/dl
LDLコレステロール(LDL-C) 72~178mg/dl
HDLコレステロール(HDL-C) 40~92mg/dl
中性脂肪(TG) 39~198mg/dl

参考:「新たな健診の基本検査の基準範囲」(日本人間ドック学会)

日本動脈硬化学会によるコレステロール基準値

コレステロールの基準値についてご紹介しました。

しかし、上でご紹介したのは、日本に数ある医学系学会のうちのひとつである「五本人間ドック学会」が発表したものです。

これに対して、日本動脈硬化学会は次のような声明を出しています。

日本人間ドック学会は、健診における脂質異常症の基準値を変更する方向での検討結果を公表した。
(中略)
しかしながら、これらの基準値に対する考え方は日本動脈硬化学会の立場とは全く異なるものである。以下に日本動脈硬化学会の立場を表明する。

参考:「日本人間ドック学会からの健診基準値に対する日本動脈硬化学会の見解」(日本動脈硬化学会)

つまり、コレステロールの基準値については統一された数値というものは存在しないのです。検索して調べても色々な数字が出てくる理由はここにあります。

各学会が様々な理由からコレステロールの基準値を設定しており、これを取り上げているネット上の情報もどの学会の数値を引用しているのか明記されていない場合も多いです。

コレステロールの基準値については、明確な基準・統一された基準はない、と知っておいた方がいいでしょう。もちろん、人間ドックでは日本人間ドック学会の数値が反映されているかもしれません。しかし、その病院では日本動脈硬化学会の基準値を採用している可能性もあるのです。これは病院やクリニックによって違うと思った方がいいでしょう。

現状では、一般的に日本動脈硬化学会の数値の方が広く採用されているようです。

なお、日本人間ドック学会は、コレステロールの基準値をWEB上に公開していますが、日本動脈硬化学会はコレステロールの基準値を記載した「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」を冊子として販売しているため、直接的にWEB上にデータを公開していません。

(2017年現在で公開されているWEB上の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」のデータは2007年のものになります)

では、日本動脈硬化学会はコレステロールの基準値をどのように設定しているのでしょうか。以下にまとめます。

なお、以下の数値は異常値だからといって即座に治療対象になるものではありません。このような数値を「スクリーニングのための数値」といいます。

LDLコレステロール 140mg/dl以上 高LDLコレステロール血症
120~139mg/dl 境界域高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール 40mg/dl未満 低HDLコレステロール血症
中性脂肪 150mg/dl以上 高トリグリセライド血症

参考:「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版─改訂のポイント─」(日本動脈学会)

厚生労働省によるコレステロールの基準値

これまで、日本人間ドック学会と日本動脈硬化学会のコレステロールの基準値について見てきましたが、国民の健康についての情報を取りまとめている厚生労働省ではどのような基準を設けているのでしょうか。

厚生労働省では脂質異常症を以下のように定義しています。

LDLコレステロール 140mg/dl以上
HDLコレステロール 40mg/dl未満
中性脂肪 150mg/dl以上

参考:「脂質異常症」(厚生労働省)

つまり、厚生労働省でも日本動脈硬化学会の基準値を採用しているということになります。

通常、会社で実施される健康診断は厚生労働省の推進のもと行われていますので、こちらの基準値が適用されるかもしれません。

日本医師会によるコレステロール基準値

日本人間ドック学会、日本動脈硬化学会、厚生労働省と、コレステロールの基準値を見てきましたが、最後に日本医師会のコレステロールの基準値を見てみましょう。

LDLコレステロール 140mg/dl以上 高LDLコレステロール血症
120~139mg/dl 境界域高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール 40mg/dl未満 低HDLコレステロール血症
中性脂肪 150mg/dl以上 高トリグリセライド血症

参考:「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療のエッセンス」(日本医師会)

こちらの基準値もやはり日本動脈硬化学会のものを採用しているようです。

多数決で見れば、コレステロールの基準値は日本動脈硬化学会が公表しているものになるでしょう。しかし、脂質異常の定義がところによって異なっているということは、それだけ基準値の定義が定まっていないということでもあります。

海外のコレステロール基準値は?

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では、海外のコレステロール基準値はどのようになっているのでしょうか。医療の先進国であるアメリカの例を見てみましょう。

海外のコレステロール事情

NIH(アメリカ国立衛生研究所)によれば、以下のようなコレステロール基準値を設けています。

総コレステロール 200mg/dl未満 望ましい
200~239mg/dl 高境界値
240mg/dl以上 高い
LDLコレステロール 100mg/dl未満 正常
100~129mg/dl 正常値に近い
130~159mg/dl 高境界値
160~189mg/dl 高い
190mg/dl以上 非常に高い
HDLコレステロール 40mg/dl未満 心臓疾患のリスクが高い
40~59mg/dl 心臓疾患のリスク高め
60mg/dl以上 心臓疾患を予防すると考えられる

参考:「Cholesterol Levels: What You Need to Know」(NIH)

日本よりやや高めの数値が設定されています。巷でよく言われているような、LDLコレステロールの基準値はないといったことはなく、心臓疾患のリスクについても記載されています。

コレステロール値に対する今後の日本の動向

あくまで推測の域を出ませんが、今後も日本のコレステロール基準値は欧米の数値を参考にしつつ設定されていくと考えられます。

コレステロールに関する研究は現在も各国で行われていますが、基本的に基準値は将来の病気リスクを勘案したものになっています。

しかし、こうしたリスクには確実な計算方法などがなく、過去のデータの統計から導き出されているにすぎません。

そして、国によって基本的な遺伝子、体格、体質、生活環境、食習慣といった人間の健康状態を決定する要素が異なるため、どうしても自国のデータを扱う必要があるのです。

そう考えると、欧米などの先進的な研究成果と自国の統計データをもとに今後もコレステロールの基準値が決定されていくと考えられます。

コレステロールの基準値はなぜ変更されるのか?

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なぜコレステロールの基準値は変更されるのでしょうか。以下の3つのポイントから見ていきましょう。

コレステロール研究の発達

第一に考えられることは、研究の発展によってコレステロール値と心臓疾患などのリスクの相関関係がより明らかにされるということが考えられます。

そのリスクに従って正常値の範囲を決定するのであれば、採用される研究内容によっては従来の基準値を改めることになるでしょう。

国民の健康意識向上

コレステロールの基準値が見直されることによって、健康診断での健康に対する注意喚起を行うことが目的だとも考えられています。

国としては、国民の健康を維持する必要があります。そのためには、将来の疾病リスクをできるだけ軽減させたいはず。そう考えると、基準値を改めるタイミングがあるかもしれません。

製薬会社と医学界の関係

最後に、コレステロールの基準値決定を巡って製薬会社との癒着が噂されていることも事実です。

コレステロールの基準値を変えることによって、病名がつき製薬会社が製造する薬を出すことができるという一面もあります。

これは好意的に見れば、製薬会社が将来様々な病気を治す薬を開発するための資金力を高めるためということにもなるかも知れません。国民の健康、病気治療には薬の存在は不可欠です。製薬会社が発展するということは、それだけ治療の面での選択肢が増えるということでもあります。

すべての基準値変更に製薬会社の思惑が絡んでいるということではないでしょう。しかし、多少の影響力があるのかもしれません。

コレステロール値が異常だとどんな病気のリスクが高まる?

コレステロールが異常値を示すと脂質異常症と診断されます。では、この脂質異常症が長期にわたって継続してしまった時、どのような病気のリスクが高まってしまうのでしょうか。

ここでは、段階別に健康のリスクを見ていきましょう。

1、脂質異常症

血液検査の結果、コレステロールの基準値から外れてしまった場合は、脂質異常症と診断されます。これは病気ではありませんが、将来の病気リスクのために改善するように求められます。

2、動脈硬化

脂質異常症と診断され、そのままの状態を放置していると、動脈硬化のリスクが高まります。血中のコレステロール、特にLDLコレステロールが動脈の血管内壁にこびりついてプラークという隆起を作ります。これがアテローム性動脈硬化といわれる状態です。

動脈硬化も、それ自体が病気というわけではありません。しかし、高血圧をもたらし、重大な病気のきっかけになっています。

3、血管疾患

1と2の段階を経て、ここでようやく具体的な病気が現れます。しかし、気づいた時には遅いかもしれません。

動脈内壁のプラークによって、以下のような病気が引き起こされるといわれています。

  • 心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患
  • 脳梗塞や脳卒中などの脳の血管疾患
  • 大動脈瘤

これらの病気は死につながる可能性もあるため注意が必要です。最悪の場合に至らない場合でも、生涯残る後遺症に悩まされるケースもあります。

コレステロールと病気についてまとめていますので、以下のページをご一読ください。

気にすべきはコレステロール値だけじゃない! LH比とは?

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コレステロールが気になる人は「LDLコレステロール」や「総コレステロール」などの数値を単体で気にしている人が多いでしょう。

しかし、LDLコレステロールとHDLコレステロールの関連性にも目を向けるべきかもしれません。LDLコレステロールとHDLコレステロールの比を「LH比」といいます。

このLH比によっては、LDLコレステロールが低めだったとしても、しっかり対策を行わないことで将来の病気のリスクを軽減できないままになってしまうかもしれません。

LH比とはなにか

LH比とは、上でも説明したようにLDLコレステロールとHDLコレステロールの比率のことをいいます。LH比は、以下の計算式で求めることができます。

LH比 = LDLコレステロール値(mg/dl) ÷ HDLコレステロール値(mg/dl)

例えば、LDLコレステロールが135mg/dl、HDLコレステロールが40mg/dlの人の場合、LH比は「3.4」となります。

LH比の基準値

LH比からわかることは、血管の病気のリスクが現状どれくらいなのかという目安です。LH比による病気のリスクは以下のように定義されています。

LH比によるリスク評価

LH比 リスク
2.5以上 血管内に異常のある可能性が高い
2.0以上 動脈硬化のリスクが高い
1.5以下 望ましい状態

上記によれば、先ほどの例に挙げた「LDLコレステロールが135mg/dl、HDLコレステロールが40mg/dl」のケースでは、LH比は2.5以上となり、血管内にすでに異常がある可能性が高いということになります。

LDLコレステロールが高くても、HDLコレステロールも非常に高い状態であれば、LH比から見ると血液の状態は望ましい状態であるとみなされます。

もちろん、このLH比だけが健康状態を測る物差しではありません。総合的なリスクは医師の指示に従うようにしましょう。

脂質異常症を引き起こす病気

これまで、コレステロールが高いことによって高まりうる病気のリスクについて見てきましたが、脂質異常症をもたらしてしまう病気もあります。

普段の生活に気をつけているのにコレステロール値に異常が出てしまったという場合には、何かの病気が原因になっているケースがあります。

糖尿病

糖尿病では、インスリンの働きに異常が出るため、脂質の代謝にも影響が出てきます。脂質が代謝しづらくなるために、脂質異常症と診断されてしまうのです。

甲状腺機能亢進症

甲状腺は身体内部のシステムを調整していますが、バセドウ病などによって甲状腺が肥大化すると、そうした身体内部のシステムが働きすぎてしまいます。

代謝が必要以上に活発化した状態では、血中の脂質が大量に消費されることとなり、基準値を下回る脂質状態になってしまうのです。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群とは腎臓の機能障害のひとつです。たんぱく質であるアルブミンが尿によって排泄されてしまいます。この状態では、肝臓で不足分を補うためにたんぱく質の合成が促進します。

コレステロールはたんぱく質の一種であるリポたんぱく質です。LDLコレステロールなどの生成も進んでしまうために脂質異常症が起こるとされています。

コレステロールを基準値にするには?

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コレステロールは異常値になったからといってすぐさま健康被害を及ぼすわけではありません。しかし、異常な状態が続くことで、命の危険すらある病気のリスクは高まってしまいます。

そうしたリスクを軽減させるためには、コレステロールを下げていく必要があるでしょう。

コレステロールを下げるには、食事や運動、その他の生活習慣など、見直すべきポイントがたくさんあります。

食事でコレステロール対策する

コレステロールをコントロールするには魚や野菜を中心とした食事、和食が有効だといわれています。不飽和脂肪酸や水溶性食物繊維にはコレステロール対策にいいとされています。

また、必要以上に食事からコレステロールを摂取しないように暴飲暴食を控えるなど、食習慣の見直しが必要になります。

運動でコレステロール対策する

コレステロール対策には運動も重要です。

特に、有酸素運動が推奨されており、1日30分以上のウォーキングなどの有酸素運動を行うといいでしょう。また、激しすぎる運動もNGのため、運動強度などをしっかりと把握しましょう。

有酸素運動については、以下のページにまとめていますので、ご一読ください。

生活習慣でコレステロール対策する

睡眠時間を十分にとる、ストレスをなくす、禁煙するなどといった生活習慣の改善もコレステロール対策には有効といわれています。

コレステロールを下げる方法については以下のページで詳しく解説しています、ぜひご一読ください。

まとめ

コレステロールの基準について日本および海外の情報をまとめました。日本でのコレステロール基準値は賛否両論があるものの、日本動脈硬化学会が設定した数値が採用されています。

また、海外と日本とでは人々の生活様式が異なるため、一概に海外のコレステロールから日本のコレステロール事情を批判することはできないでしょう。

大切なことは、健康を維持し、将来の病気のリスクを軽減するためには、これからの毎日をどのように過ごすのかがカギになっているということ。

コレステロールの基準値を参考に、あなたもコレステロール対策を始めてみませんか。

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