健康

2016/06/28

ピロリ菌を除去して、身体に害はないの?

ピロリ菌を除去して、身体に害はないの?

ピロリ菌は胃がんや胃炎、十二指腸潰瘍発症の原因であるといわれています。それ以外にも胃痛や胃もたれなどを起こす身体に害をなす菌であり、感染している場合は除菌することが望ましいとされています。しかし相談者は、ピロリ菌を除去すると身体にとって本当に不都合はないのかと疑問に感じているようです。

40代男性からの相談:「胃がん対策で、ピロリ菌を消滅させて不都合はないのですか?」

40歳を超え、各種ガン検診に関心があります。その中で、胃がんの原因はピロリ菌であり、そのピロリ菌を消滅させることのできる内服薬を病院で処方してもらえると聞きました。以前、人間の体に存在する菌は何かしら目的があって存在しているということを聞いたことがあり、胃がん回避のためにピロリ菌を排除した結果、他の体調面で不都合が生じることはないのでしょうか?もちろんガンを回避できることは大きなメリットであり大きな優位性がありますが、疑問に思います。(40代 男性)

ピロリ菌は身体を守る常在菌ではありません

人間の身体は様々な常在菌によって守られ、保たれています。しかし、ピロリ菌はこれらの常在菌と違い、外から入ってきた人体にとって不要かつ不都合な細菌です。除菌しても身体に悪い影響を及ぼすことはなさそうです。

ヘリコバクター・ピロリ菌を排除したからといって、人体の細菌のバランスは崩れません。人の身体には「常在菌」といって、無数の細菌が住み着いて身体を守っています。例としてビフィズス菌などの腸内細菌があります。口の中から皮膚にまで細菌は存在し、外からの悪い細菌から身体を守っています。しかし、ヘリコバクター・ピロリ菌はこれらの目的のある常在菌とは違い、元々人体に存在しない外から入ってきた細菌です。胃の中の強酸性でも特別な酵素によって生き延びられます。ピロリ菌は、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌などの原因となります。1994年にWHOは、ピロリ菌が胃癌の発癌因子であることを発表しました。(看護師)
おっしゃるように人間の体内には様々な菌が存在しており、抵抗力を高めたり、代表的な腸内細菌は腸の働きをよくし、腸内環境を整えてくれます。ピロリ菌は胃の中に存在し、胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因になると言われていますから、ピロリ菌が見つかれば早めに除菌した方がいいでしょう。稀に、ピロリ菌を除去したために、抑えられていた胃液の分泌が盛んになって逆流性食道炎を起こすこともありますが、メリットの方が多いです。(医師)

ピロリ菌除去の具体的な方法は?

ピロリ菌除去には抗生剤を一週間ほど服用します。その際、薬の副作用が表れる人もいるということです。副作用を気にして服用をやめると除菌に失敗してしまいます。除菌は慎重に時期を選んで行うべきでしょう。

ピロリ菌の除去には、抗生剤を1週間ほど服用する除菌治療が行われます。70%以上の方が除菌できますが、除菌できなかった場合は、2回目の除菌治療が行われ、90%以上の方が除菌できます。ピロリ菌がいなくなるからではなく、抗生剤の副作用として、下痢や味覚異常、口内炎が起こることがあります。しかし、その症状が出ても途中で服用を止めたり、薬の量を勝手に減らしたりすると除菌ができなくなりますから、症状が軽いうちはそのまま服用を続けて下さい。(医師)
ピロリ菌に感染しても必ず癌になるわけではなく、感染していないからといって癌にならないわけでもありません。ただし、ピロリ菌感染者の胃癌の発病率が高いことは事実ですので、心配でしたらピロリ菌検査をし、感染している場合は除菌が必要か専門医に相談してみましょう。(看護師)

たとえピロリ菌に感染していても、場合によっては除菌せず様子を見た方がいいケースもあります。除菌によって得られるメリットは大きいですが、副作用などのデメリットも皆無ではありませんので、除菌に踏み切るか否かは医師との綿密な相談が必要でしょう。

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