健康

2016/03/21

入院中にできた褥瘡。病院側に責任を問えるか?

入院中にできた褥瘡。病院側に責任を問えるか?

身体が不自由で思うように動かせない人は、就寝中ずっと同じ体勢でいると褥瘡(じょくそう)ができて、いわゆる床ずれと呼ばれる状態になってしまいます。怪我や病気などで入院してその期間中に褥瘡ができてしまった場合、その病院に責任を問うことはできるのでしょうか。

30代男性からの相談:「病院に入院中、褥瘡が。病院を訴えることはできるか」

私は車椅子利用者で、家で寝る時は褥瘡予防のためエアマットを利用し、身体にかかる圧を取り除いています。しかし最近大腿骨を骨折して入院することになり、2週間ほどベッドで安静にしていましたが、かかとに褥瘡ができてしまい今も治療中です。病院にエアマットが無く、厚めの柔らかいマットレスを利用していました。この褥瘡を作ってしまったことで、病院を訴えることはできるでしょうか。(30代・男性)

カルテ開示を希望して記録を確認

病院を訴えるためには、褥瘡を作らないためにどのような対策がとられたかなど、入院期間中の看護記録が必要になってきます。カルテ開示を求め、その内容次第では病院側に責任を問うこともできるかもしれません。

難しい問題ですが、明らかに褥瘡であること、医療スタッフが褥瘡予防を怠ったためにできたものと立証されれば、訴えることはできるでしょう。最近は、患者や家族が希望すれればカルテ開示ができるので、エアマットの代わりに褥瘡予防の専用のマットを使用していたか、何時間おきに体位変換を行ったか、褥瘡ができる可能性を考慮してどのような対策がとられたか、できてしまった褥瘡に適切なケアがされていたかなど確認するとよいでしょう。(医師)
病院は動けない患者に対し、褥瘡予防のため2~3時間おき程度に体位変換を行います。体圧が分散できるマットレスがあれば褥瘡になるリスクは減りますが、柔らかいマットレスを使用しても体位変換をしないと褥瘡になってしまいます。看護師が褥瘡予防のための体位変換を行ったのなら、看護師は看護記録にその旨を記録しているはずですし、寝たきりの状態など褥瘡ができる確率が高い患者には、褥瘡予防の看護計画を立て実施するのが通常です。(看護師)
看護記録などの書類があれば、裁判の際に証拠書類として用いることが可能ですが、カルテ開示を個人でお願いしても難しいことがあるので、医療訴訟問題に詳しい弁護士に相談してはいかがでしょうか。(看護師)

適切な処置をしても褥瘡ができることも

体位変換など適切な処置を行っていても、時には褥瘡となってしまうケースもあると医師は説明しています。

半身不随の方や、手術や検査の後で自力で身動きできない、同じ体位を維持しなければならない場合などは、細心の注意を払っていても褥瘡になるのが避けられない場合があります。例えば、体位変換は最低でも2時間おきとされていますが、2時間おきに行っても褥瘡を形成することがあります。その場合、病院側はきちんと対応していたということになり、訴えても難しいかもしれません。(医師)

病院側を訴えるためには、適切な処置がとられていたか否かについて、看護記録などで確認する必要があります。患者本人や家族が希望すればカルテ開示はできますが、難しいようならアドバイスいただいたように、医療訴訟問題に詳しい弁護士に相談するというのも1つです。

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